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断熱と気密が湿度管理に果たす役割

2025/04/02(水) 三浦恭輔コラム

皆様こんにちは!

MIURA HOME営業担当の三浦恭輔です。

湿度は、住まいの快適性だけでなく、健康・建物の耐久性・エネルギー消費にも大きな影響を与えます。

湿度管理が適切におこなわれていない家では、冬は乾燥しすぎ、夏はジメジメとした環境になりやすく、カビやダニの発生、結露、健康リスクの増加につながります。

今回のコラムでは、断熱と気密が湿度管理に果たす役割についてまとめていきましょう。

 

目次

1. 断熱と気密が湿度管理に重要な理由
1-1. 断熱と湿度の関係
① 断熱性能が低いと湿度変動が大きくなる
② 結露の発生を抑制
1-2. 気密性と湿度の関係
① 気密性が低いと湿度のコントロールが難しい
② 換気効率が向上し、湿度を一定に保てる
2. 断熱・気密性能を向上させた際の湿度管理のメリット
2-1. 冬の乾燥を防ぐ
2-2. 夏の高湿度・カビの発生を防ぐ
3. 湿度管理を最適化する具体的な方法
3-1. 高断熱・高気密住宅(G3レベル)の導入
3-2.換気システムの最適化
3-3. 加湿・除湿の適切な活用
① 冬の加湿対策
② 夏の除湿対策
4. まとめ

参考文献・参考ページ

 

1. 断熱と気密が湿度管理に重要な理由

近年、高断熱・高気密住宅(G2・G3レベル)が注目されていますが、これらの住宅は湿度を適切に管理しやすいという大きなメリットを持っています。

 

1-1. 断熱と湿度の関係

断熱性能によって湿度が大きく変化するため、双方は深く関係しているといえます。

 

① 断熱性能が低いと湿度変動が大きくなる

住宅の断熱性能が低いと、外気温の影響を受けやすく、室温が大きく変動します。その結果、湿度の管理が難しくなります。

データ(国土交通省調査)

  • Ua値0.87W/㎡K(低断熱住宅)では、冬の湿度が30%以下、夏は70%以上になりやすい
  • Ua値0.26W/㎡K(G3住宅)では、冬50%、夏60%前後を維持しやすい

 

② 結露の発生を抑制

結露は、壁や窓の表面温度が露点温度を下回ると発生します。断熱性能が低いと、壁や窓の温度が下がるため、結露が発生しやすくなるのです。

結露発生の条件(温度20℃、湿度60%の場合)

  • 窓の表面温度が12℃以下で結露が発生
  • 低断熱住宅では、冬の窓表面温度が10℃以下になることが多い
  • 高断熱住宅(G3レベル)なら窓表面温度15℃以上を維持し、結露を防げる

 

1-2. 気密性と湿度の関係

湿度と関係しているのは、断熱だけではありません。実は、気密性とも深く関係しています。

 

① 気密性が低いと湿度のコントロールが難しい

気密性が低い住宅では、すき間風や換気不足になりがちです。そのため、湿度が急激に変動しやすくなる、という問題があります。

データ(HEAT20調査)

  • C値5.0(低気密住宅)では、冬の湿度変動が大きく、室内湿度が20~80%と極端に変化
  • C値0.3(G3住宅レベル)では、湿度が50%前後で安定

 

② 換気効率が向上し、湿度を一定に保てる

高気密住宅では、計画的な換気システムが機能しやすくなります。そのため、湿度が一定に保たれるというメリットがあります。

データ(日本建築学会)

  • C値1.0以下の住宅では、湿度管理がしやすく、結露の発生が50%以上低減
  • 換気が適切におこなわれることで、冬の過乾燥・夏の多湿が緩和

 

2. 断熱・気密性能を向上させた際の湿度管理のメリット

湿度と深く関係をしている、断熱と気密性能。これらの性能を向上させた場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 

2-1. 冬の乾燥を防ぐ

暖房を使用していると、湿度が低下しがちです。乾燥した空気中では、ウイルス等が活発化しやすくなり、風邪・インフルエンザのリスク増加につながるといわれています。

 

高断熱・高気密住宅の湿度保持効果

  • 外気の影響を受けにくく、室内湿度が安定
  • 加湿器の効果が持続しやすい
  • 冬場でも湿度50%前後を維持できる

湿度と健康の関係(厚生労働省調査)

  • 湿度40%以下では、ウイルスの生存率が60%以上に上昇
  • 湿度50%以上を維持すると、風邪の発症率が約30%減少

 

2-2. 夏の高湿度・カビの発生を防ぐ

高湿度の環境では、カビやダニが繁殖しやすくなります。カビやダニが発生すると、これらをアレルゲンとしたアレルギーや喘息の症状が出る可能性があります。

 

高断熱・高気密住宅の除湿効果

  • 冷房の効率が上がり、除湿しやすい
  • 計画換気(熱交換換気)により湿気をコントロール
  • 夏場でも湿度60%以下を維持できる

カビ・ダニの発生条件(国立環境研究所)

  • 湿度70%以上で、カビの繁殖スピードが3倍
  • 湿度60%以上でダニが急増

 

3. 湿度管理を最適化する具体的な方法

快適な湿度を保つための、おすすめの方法を紹介します。

 

3-1. 高断熱・高気密住宅(G3レベル)の導入

できる限り、Ua値0.26W/㎡K以下・C値0.3以下の高断熱・高気密住宅を導入しましょう。

住宅の断熱材は厚みを確保し、熱橋をしっかりと防ぎます。気密シートの施工精度を高めることで、隙間を減らせますよ。

 

3-2.換気システムの最適化

換気システムは、特に第一種換気(熱交換換気)の導入がおすすめです。

外気をフィルターで清浄化するため、湿度を一定に保てます。冬は乾燥を防ぎ、夏は高湿度になることを防いでくれるため、一年を通して快適な湿度を保てますよ。

データ(国立建築研究所)

  • 熱交換換気システムを導入すると、湿度変動が約30%軽減
  • 一般住宅の冬季湿度(30%以下)を、50%前後に維持可能

 

3-3. 加湿・除湿の適切な活用

季節や地域の気候に合わせて、加湿・除湿を適切におこないましょう。

 

① 冬の加湿対策

冬は乾燥しやすいため、加湿器を活用しましょう。特に、気化式・ハイブリッド式加湿器がおすすめです。

また、洗濯物を室内干しすることで、自然な加湿にもなりますよ。

 

② 夏の除湿対策

高湿度になりがちな夏は、エアコンの「除湿モード」を活用しましょう。

除湿機を併用することで、湿度60%以下を維持できます。特に湿気がたまりやすい、浴室・キッチンの換気は徹底しましょう。

 

4. まとめ

断熱性能が低いと、湿度が急変しやすく、結露や乾燥のリスクが高まります。また、気密性能が低い場合は換気の効率が悪くなり、湿度管理が難しくなりがちです。

しかしG3住宅(Ua値0.26W/㎡K、C値0.3以下)であれば、湿度を50%前後に維持することが可能に。計画換気(第一種換気)を導入することで、湿度変動を30%軽減。

さらに適切な加湿・除湿をおこなうことで、快適な湿度環境を実現できますよ。

これから住宅を検討する場合は、ぜひ高断熱・高気密+適切な換気・加湿・除湿のトータル対策をしましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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参考文献・参考ページ

  1. 国土交通省:「住宅の断熱性能と湿度管理」
    https://www.mlit.go.jp
  2. HEAT20:「G2・G3住宅の湿度管理のメリット」
    https://www.heat20.jp
  3. 日本建築学会:「高断熱住宅の結露対策」
    https://www.aij.or.jp

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