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一戸建ての家とマンションやアパートはどっちが暖かい?

2025/02/24(月) 三浦恭輔コラム

皆様こんにちは!

MIURA HOME営業担当の三浦恭輔です。

住宅の断熱性能は、室内の快適性・エネルギー消費・健康への影響を考えるうえで必要な選択肢です。

今回のコラムでは、一戸建ての家とマンションやアパートを比較して、住宅の断熱性能について詳しく解説していきます。

 

目次

1. 一戸建てと集合住宅の断熱性能の比較
1-1.外皮性能(Ua値)
1-2.気密性能(C値)
1-3.外気の影響
2. 断熱性能の違いによる影響
2-1.暖房・冷房エネルギー消費量
2-2.室内温度の安定性
2-3.結露リスク
3. 断熱性能を高める住宅とは?
3-1.一戸建て
3-2.集合住宅
4. まとめ

参考文献・参考ページ

 

1. 一戸建てと集合住宅の断熱性能の比較

断熱性能の評価には、主に以下のような指標が用いられます。

  • Ua値(外皮平均貫流率):W/㎡K
    住宅全体の外皮からの逃熱量を評価する指標。数値が低いほど断熱性能が高い。
  • C値(相当面積):㎠/㎡
    建物の気密性を示す指標。数値が低いほど気密性が高く、断熱効果を最大限に発揮できる。
  • ηA値(平均日射熱取得率)
    日射の影響を軽減した断熱性能の指標。

この指標をもとに、一戸建てと集合住宅の断熱性能を比較していきましょう。

 

1-1.外皮性能(Ua値)

住宅の断熱性能は、外皮(壁・屋根・床・窓など)の性能が大きく影響します。

一戸建てと集合住宅では外皮の面積や構成が異なるため、断熱性能に差が出ます。

住宅種別 平均的なUa値(W/㎡K)
一戸建て(省エネ基準適合レベル) 0.87~0.87
一戸建て(HEAT20 G2一連) 0.46~0.56
一戸建て(高性能住宅 Ua=0.3前後) 0.3~0.4
集合住宅(一般的なRC造) 0.7~0.8
集合住宅(高性能RC造) 0.4~0.5

 

一般的な一戸建てのUa値は0.46~0.87W/㎡Kですが、集合住宅は0.4~0.8W/㎡K程度となります。

特にRC(鉄筋コンクリート)造の集合住宅は、コンクリートの蓄熱効果や隣戸の影響により、断熱性能が比較的高い傾向があります。

 

1-2.気密性能(C値)

C値は住宅における相当隙間面積を示し、数値が低いほど気密性が高いといえます。

住宅種別 平均的なC値(㎠/㎡)
一戸建て(一般的な住宅) 2.0~5.0
一戸建て(高性能住宅) 0.3~1.0
集合住宅(RC造) 0.5~2.0

 

一戸建てのC値は2.0~5.0㎠/㎡とばらつきがありますが、高気密住宅のC値は0.3~1.0となっています。

一方、集合住宅はRC(鉄筋コンクリート)造が多く、隙間が少ないため、C値は0.5~2.0㎠/㎡と低めになります。

 

1-3.外気の影響

一戸建ては外に接する面積が多く、特に屋根・床からの熱損失が大きくなります。

集合住宅は、上下・左右の住戸に囲まれるため、外気の影響が少なくなります。

そのため、同じUa値でも集合住宅のほうが、実際のエネルギー消費量は低くなる傾向にあるといえるでしょう。

 

2. 断熱性能の違いによる影響

一戸建てと集合住宅では、断熱性能の違いがあることがわかりました。それでは、その違いによる影響について解説していきますね。

 

2-1.暖房・冷房エネルギー消費量

建物の断熱性能の違いは、暖房・冷房のエネルギー消費量に直結します。

例えば、東京都の気象条件(平均外気温6℃)での試算では、一戸建て(Ua値0.87)の年間冷暖房エネルギー消費量は約20,000kWh。集合住宅(Ua値0.5)の場合は約10,000kWhとなり、約50%削減されるといわれています。

 

2-2.室内温度の安定性

一戸建ては外気温の影響を受けやすい特徴があります。外が寒い冬は室内が冷え込みやすく、夏は暑くなりやすいのです。

集合住宅の場合、上下左右の住戸に囲まれているため、外気温の影響が少なく、室温が安定しやすいのが特徴です。

 

2-3.結露リスク

一戸建てで断熱・気密の住宅でない場合、温度差によって結露が発生しやすくなります。

集合住宅(特にRC造)は、上下左右の住戸に囲まれている関係で温度変化が穏やかなため、結露しにくくなります。

 

3. 断熱性能を高める住宅とは?

それでは、断熱性能を高めるためにはどのような住宅にしたらよいのでしょうか。一戸建てと集合住宅、それぞれに必要な断熱性能についてまとめたので、ご自身に合った住宅を選ぶ際の参考にしてください。

 

3-1.一戸建て

  • 断熱材の強化(硬質ウレタンフォーム・セルロースファイバー等)
  • 高性能窓の採用(Low-E複層ガラス・樹脂サッシ)
  • 気密性能の向上(C値0.5以下を目指す)

 

3-2.集合住宅

  • 内窓の設置(うちの窓にプラスして断熱性能を向上)
  • 換気の最適化(結露対策として熱交換換気を導入)

 

4. まとめ

一戸建てと集合住宅では、以下のような断熱性能の違いがあります。

項目 一戸建て 集合住宅
Ua値(W/㎡K) 0.3~0.87 0.4~0.8
C値(㎠/㎡) 0.3~5.0 0.5~2.0
外気の影響 大きい 小さい
冷暖房負荷 高い 低い
室温安定性 変動が大きい 安定しやすい

 

特に外気の影響を受けにくい集合住宅のほうが、実際のエネルギー消費は少なくなる傾向があります。

一戸建ての場合は、高性能な断熱・気密施工をおこなうことで、省エネと快適性を向上させることができます。

ぜひご自身に合った生活環境のなかで、住み心地のよい住宅にしていきましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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参考文献・参考ページ

  1. 国土交通省:「住宅の断熱基準とエネルギー省」
    https://www.mlit.go.jp
  2. HEAT20:「住宅の断熱性能と快適性」
    https://www.heat20.jp
  3. 建築環境・省エネルギー機構(IBEC):「建築の断熱性能の評価手法」
    https://www.ibec.or.jp

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