皆様こんにちは!
MIURA HOME営業担当の三浦恭輔です。
冷え性に悩む人は多く、日本の成人女性の約7割、男性でも約4割が何らかの冷え性の症状を感じていると報告されています(厚生労働省調査)。
特に冬場は、手足が冷たくなり、「寝つきが悪くなった」「肩こりや頭痛がひどくなった」などの症状を訴える人が増えます。
今回のコラムでは、高断熱・高気密住宅が冷え性の改善にどのような影響を与えるのか、についてを解説し、改善策も紹介していきますね。
目次
1. 冷え性と住宅環境の関係
1-1. 低断熱住宅の寒さが冷え性を悪化させる
① 日本の住宅の室温の実態(国土交通省調査)
② 低温環境が血流に与える影響
1-2. 高断熱・高気密住宅(G3住宅)が冷え性を改善する理由
① 室温が安定し、寒暖差が少ない
② 室内の湿度を適切に維持
1-3. 高断熱住宅+全館暖房の導入でさらに効果UP
① 部屋ごとの温度差をなくす
2. 高断熱・高気密住宅で冷え性を改善するためのポイント
2-1.高断熱・高気密(G3住宅レベル)
2-2.全館暖房システムの導入
2-3. 適切な換気システム
3. まとめ
1. 冷え性と住宅環境の関係
冷え性の主な原因は、血行不良や自律神経の乱れなど。しかし、冷え性に大きな影響を与えている要因のひとつとして、住環境(特に室温)も挙げられます。
特に、冬場の寒い住宅環境では、体が無意識に体温を維持しようとするため、血管が収縮。冷え性が悪化することが多いのです。
1-1. 低断熱住宅の寒さが冷え性を悪化させる
日本の住宅は、欧米と比較して断熱性能が低く、冬場の室温が10℃以下になる家が多いことが指摘されています。
① 日本の住宅の室温の実態(国土交通省調査)
- リビング:15℃前後
- 寝室:10℃以下
- 浴室・トイレ:5℃以下
WHO(世界保健機関)は「健康を維持するための最低室温を18℃」と定めています。
しかし日本の住宅の多くは、この基準を大きく下回っています。特に寒い寝室で眠ると、血流が悪化。冷え性の症状が悪化しやすくなります。
② 低温環境が血流に与える影響
寒い環境では、体が熱を逃がさないように血管を収縮させるため、体の末端の血流が悪化します。これが手足の冷えの原因となります。
データ(日本生理学会)
- 室温10℃以下の環境では、手足の血流量が50%以上低下
- 室温18℃以上を維持すると、血管の収縮が抑えられ、血流が30%以上改善
このようにデータからも、住環境の温度が冷え性に与える影響は非常に大きいことがわかります。
1-2. 高断熱・高気密住宅(G3住宅)が冷え性を改善する理由
高断熱住宅や高気密住宅を選ぶことで、具体的にどのように冷え性を改善するのでしょうか。
引用元:LIXIL | 感染症、厳しい寒さの減災を知る | 災害から家族をまもる、家をつくろう。減災プロジェクト
① 室温が安定し、寒暖差が少ない
高断熱・高気密住宅(G3レベル:Ua値0.26W/㎡K)では、家全体の室温を一定に保ちます。暖房を切った後も暖かさが持続するため、寒暖差による血流の乱れを防ぐことにるながります。
これにより、寒暖差による血管の収縮を防ぎ、血流を改善することも期待できるでしょう。
住宅の断熱性能(Ua値)と最低室温の比較(HEAT20調査)
- 従来の住宅(Ua=0.87W/㎡K) → 最低室温10℃以下
- G2住宅(Ua=0.46W/㎡K) → 最低室温12~15℃
- G3住宅(Ua=0.26W/㎡K) → 最低室温15~18℃
② 室内の湿度を適切に維持
寒い家では、暖房をつけることで湿度が低下。乾燥による血管の収縮が起こりやすくなります。
しかし高断熱・高気密住宅であれば、湿度を50%前後に維持できるため、肌や気道が乾燥しにくくなり、血流の悪化を防ぐことにつながります。
データ(国立環境研究所)
- 湿度40%以下の環境では、血管が収縮し、手足の冷えが悪化
- 湿度50%前後を維持すると、体温調節機能が正常化し、冷え性が改善
1-3. 高断熱住宅+全館暖房の導入でさらに効果UP
高断熱住宅だけではなく、全館に暖房を導入することで、さらに効果的に冷え性を改善させることが期待できます。
① 部屋ごとの温度差をなくす
従来の住宅では、「リビングは暖かいが、廊下やトイレは寒い」といった温度ムラが発生しやすく、急激な温度変化が血流を悪化させる可能性も……。
高断熱住宅(G3レベル)にプラスして、全館暖房(温水パネルヒーター・床暖房・エアコン)を導入することで、家全体の温度差を3℃以内に抑え、血流を安定させることにつながります。
データ(日本建築学会)
- 室温が18℃以上の住宅では、血流量が平均30%増加
- 全館暖房+高断熱住宅の組み合わせで、冷え性の症状が70%以上改善
2. 高断熱・高気密住宅で冷え性を改善するためのポイント
冷え性を改善するためには、3つのポイントを意識した住宅づくりが重要です。
2-1.高断熱・高気密(G3住宅レベル)
Ua値0.26W/㎡K以下の断熱性能を確保することで、高断熱・高気密の住宅を実現。
さらに高性能窓(樹脂サッシ+Low-E複層ガラス)を導入したり、壁や床、天井の断熱材を強化したりして、効率的に熱損失を抑えましょう。
引用元:LIXIL | 感染症、厳しい寒さの減災を知る | 災害から家族をまもる、家をつくろう。減災プロジェクト
2-2.全館暖房システムの導入
床暖房と温水パネルヒーターを導入し、家全体を均一に暖めましょう。
また、エアコンと換気システムにより、室温18℃以上、湿度50%前後を維持し、温湿度を安定させるとよいですよ。
2-3. 適切な換気システム
第一種換気(熱交換換気)を導入し、湿度を一定に保ちましょう。
冬の過乾燥を防ぐだけではなく、血流を安定化させる効果も期待できますよ。
3. まとめ
低断熱住宅では、寒さによる血管収縮が起こり、冷え性が悪化します。
しかしG3住宅(Ua値0.26W/㎡K)であれば、室温が15℃以上を維持でき、血流が改善。室内の湿度も50%前後に維持できるため、冷え性の症状が緩和する可能性があります。
さらに、高断熱住宅にプラスして全館暖房を取り入れることで、家全体の温度差を3℃以内に抑え、快適な住環境を実現できますよ。
新しい住まいをお考えのかたは、ぜひ高断熱・高気密住宅(G3住宅)と適切な暖房・換気システムを取り入れましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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参考文献・参考ページ
- 国土交通省:「住宅の断熱性能と健康影響」
https://www.mlit.go.jp - 厚生労働省:「冷え性と住環境の関係」
https://www.mhlw.go.jp - HEAT20:「G2・G3住宅の基準とメリット」
https://www.heat20.jp