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ヒートショックを防ぐために必要な家の条件

2025/02/19(水) 三浦恭輔コラム

皆様こんにちは!

MIURA HOME営業担当の三浦恭輔です。

寒い日が続きますが、暖かいリビングから冷え切った浴室やトイレに移動したときに、急激な温度変化を感じたことはありませんか?

このような急激な温度差が原因で血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす現象を「ヒートショック」と呼びます。

今回のコラムでは、ヒートショックを防ぐ家にするための条件を詳しく解説し、安全で快適な住環境を実現するためのポイントについても紹介します。

 

目次

1. ヒートショックの原因とリスク
1-1.家の中の温度差がヒートショックを引き起こす
1-2. 血圧の急激な変動が危険
2. ヒートショックを防ぐための家の条件
2-1. 高断熱・高気密住宅(G3レベル)
2-2. 全館暖房の導入
2-3. 換気システムの最適化
3. まとめ

参考文献・参考ページ

 

1. ヒートショックの原因とリスク

厚生労働省の調査によると、日本では毎年約19,000人がヒートショック関連の事故で亡くなっています。これは交通事故による死亡者数の5倍にもなります。

特に高齢者はヒートショックのリスクが高く、断熱性能の低い家に住んでいる場合は、その危険性が増大することが分かっています。

では、なぜヒートショックは起きるのでしょうか。原因とリスクについて説明していきますね。

 

1-1.家の中の温度差がヒートショックを引き起こす

冬場の日本の住宅では、リビングと浴室・トイレの温度差が10℃以上になることが一般的です。こうした温度変化が急激に起こると、血圧が急変し、心臓や脳に大きな負担がかかるといわれています。

冬の住宅内の温度差(従来の住宅)

場所 室温(冬)
リビング 20℃
廊下 10℃
浴室 5~8℃
トイレ 5℃以下

データ(日本医療研究開発機構)

  • リビングと浴室の温度差が10℃以上になると、ヒートショック発生率が50%増加
  • 高齢者の入浴中の死亡事故の約90%が、室温10℃以下の環境で発生

 

1-2. 血圧の急激な変動が危険

寒い場所に移動すると、血管が収縮して血圧が急上昇します。その後、暖かい浴槽に入ると、今度は血管が急に拡張し、血圧が急低下します。

これが、ヒートショックを引き起こす直接的な原因になるといわれています。

血圧変動の例(低断熱住宅 vs 高断熱住宅)

住宅タイプ 入浴前の血圧 浴室での血圧 入浴後の血圧
低断熱住宅(室温差10℃以上) 120/80mmHg 160/100mmHg(急上昇) 90/60mmHg(急低下)
高断熱住宅(室温差3℃以内) 120/80mmHg 130/85mmHg(安定) 115/75mmHg(安定)

データ(厚生労働省)

  • 低断熱住宅では、血圧が20~40mmHg急変することが多く、心筋梗塞・脳卒中のリスクが2倍
  • 高断熱住宅(室温15℃以上を維持)では、血圧変動が最小限に抑えられ、ヒートショックリスクが50%以上低減

引用元:LIXIL | 感染症、厳しい寒さの減災を知る | 災害から家族をまもる、家をつくろう。減災プロジェクト

 

2. ヒートショックを防ぐための家の条件

ヒートショックを防ぐためには、家全体の温度差を少なくしましょう。体への負担が軽減することで、ヒートショックの予防につながります。

それではどのようにして、家全体の温度差を少なくしていけばよいのか、について説明していきます。

 

2-1. 高断熱・高気密住宅(G3レベル)

家全体の温度差を少なくするために欠かせないのが、高断熱・高気密住宅です。なかでも、G3レベル:Ua値0.26以下、C値0.3以下の住宅が最適です。

高断熱住宅の室温比較

住宅の断熱性能(Ua値) 冬の最低室温 温度差
0.87(従来の住宅) 10℃以下 10℃以上
0.46(G2住宅) 12~15℃ 5℃以内
0.26(G3住宅) 15~18℃ 3℃以内

データ(HEAT20調査)

  • G3住宅では、浴室やトイレの最低室温が15℃以上を維持し、ヒートショックリスクを70%以上低減

 

2-2. 全館暖房の導入

家全体の温度を均一に保つために、全館暖房を導入するのが理想的です。

 

おすすめの暖房システム

  1. 床暖房:床から輻射熱で家全体を暖める
  2. 温水パネルヒーター:壁面に設置し、空気を対流させながら均一に暖房
  3. エアコン+第一種換気(熱交換換気):室温を一定に維持

データ(日本建築学会)

  • 全館暖房+高断熱住宅の組み合わせで、室温差が3℃以内に抑えられる
  • 浴室・トイレの温度が15℃以上を維持することで、血圧変動が50%低減

 

2-3. 換気システムの最適化

第一種換気(熱交換換気)を導入すると、室内の温度と湿度を安定させることができます。

熱交換換気のメリットは、3つあります。

  1. 外気の影響を受けずに室温を維持することができる
  2. 湿度を一定に保ち、乾燥による体温低下を防ぐ
  3. 空気の質を向上し、健康的な室内環境を実現

温湿度を一定に保つためにも、ぜひ第一種換気(熱交換換気)を導入することも検討しましょう

 

データ(国立建築研究所)

  • 第一種換気(熱交換換気)を導入すると、温度変動が約30%軽減
  • 室温が15℃以上に安定し、血圧変動が最小限に抑えられる

 

3. まとめ

家の温度差が10℃以上になると、ヒートショックのリスクが50%以上増加するといわれています。

しかしG3住宅(Ua値0.26以下、C値0.3以下)であれば、室温15℃以上を維持できるため、血圧変動を抑えることが期待できます。

さらに全館暖房+熱交換換気システムを導入することで、温度ムラをなくし、快適な住環境を実現。浴室・トイレ・廊下の温度を一定に保ち、心筋梗塞・脳卒中のリスクの大幅な低減につながるでしょう。

寒暖差の少ない家にするためには、高断熱・高気密住宅+全館暖房+適切な換気が不可欠です。家族の健康と安全を守るためにも、快適な住環境を整えましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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参考文献・参考ページ

  1. 国土交通省:「住宅の断熱性能と健康影響」
    https://www.mlit.go.jp
  2. 厚生労働省:「ヒートショックの危険性と予防策」
    https://www.mhlw.go.jp
  3. HEAT20:「G2・G3住宅の基準とメリット」
    https://www.heat20.jp

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