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低体温症を防ぐ住まいの工夫

2025/02/21(金) 三浦恭輔コラム

皆様こんにちは!

MIURA HOME営業担当の三浦恭輔です。

皆様は「低体温症」という言葉を聞いたことはありますか?

低体温症とは、体温が35℃以下に低下することで、体の機能が正常に働かなくなる状態を指します。

今回のコラムでは、低体温症のメカニズムと住宅環境の関係を解説し、安全な住環境を実現するための具体的な方法について考えていきましょう。

 

目次

1. 低体温症のリスクと日本の住宅環境
1-1.低体温症の発生メカニズム
1-2. 日本の住宅の寒さが低体温症のリスクを高める
① 日本の住宅の室温の実態
② 低室温が低体温症を引き起こすメカニズム
2. 低体温症を防ぐ住まいの工夫
2-1. 断熱性能を向上させる
① 高断熱住宅(G2・G3住宅)の導入
② 断熱改修のポイント
2-2. 全館暖房システムを導入する
① 暖房設備の種類と特徴
② 部屋ごとの温度差をなくす
2-3. 適切な換気と湿度管理
① 換気システムの導入
② 加湿器の活用
3. まとめ

参考文献・参考ページ

 

1. 低体温症のリスクと日本の住宅環境

寒冷地で発生するイメージが強い低体温症ですが、実は日本の住宅環境においても発生しやすいことが指摘されています。

日本の住宅は断熱性能が低く、冬の室温が10℃以下になることが多いため、室内でも低体温症を発生するリスクがあるのです。

特に高齢者や小さな子どもは体温調節機能が弱いため、低体温症に陥りやすく、命に関わる危険性があります。

 

1-1.低体温症の発生メカニズム

低体温症は、体温が35℃以下に低下すると発生。重症化すると意識障害や心肺停止を引き起こす危険な状態です。

低体温症の進行と症状

体温(℃) 症状
36.5~35.0 ふるえ、手足の冷え、疲労感
35.0~33.0 震えが止まり、意識がもうろうとする
33.0~30.0 意識障害、血圧低下、不整脈
30.0以下 心停止、昏睡状態

 

特に高齢者は、体温調節機能が低下しているため、寒さを感じにくく低体温症になりやすいとされています。

データ(厚生労働省調査)

  • 年間約2,000人が低体温症で死亡
  • 65歳以上の高齢者の発症リスクは20代の約5倍
  • 冬季における低体温症の発生場所の約80%が住宅内

 

1-2. 日本の住宅の寒さが低体温症のリスクを高める

それではなぜ、日本の住宅の寒さが低体温症のリスクを高めるのでしょうか。

 

① 日本の住宅の室温の実態

日本の住宅は、欧米と比較して断熱性能が低いため、冬季の室温が低下しやすいことが特徴です。

WHO(世界保健機関)では、「健康を維持するための最低室温を18℃」と定めていますが、日本の住宅の多くはこれを大きく下回っています。

データ(国土交通省調査)

  • 冬のリビングの平均室温:15℃
  • 冬の寝室の平均室温:10℃以下
  • 浴室・トイレの温度:5℃以下になることも

 

② 低室温が低体温症を引き起こすメカニズム

室温が10℃以下になった場合、人の体温は35℃以下に低下しやすくなります。血管が収縮し、血流が悪化するため、体温調整機能が低下。低体温症を引き起こす要因となり得るのです。

特に、寝室や浴室の温度が低いと、夜間や入浴時に低体温症のリスクが増加するといわれています。

 

2. 低体温症を防ぐ住まいの工夫

低体温症を防ぐには、どのような住宅を選べばよいのでしょうか。具体的な数値とともに、考えていきましょう。

 

2-1. 断熱性能を向上させる

低体温症を防ぐためには、住宅の室温を最低でも18℃以上に維持することが大切です。

そのためには、断熱性能を向上させる必要があります。

 

① 高断熱住宅(G2・G3住宅)の導入

住宅の断熱性能はUa値(外皮平均熱貫流率:W/㎡K)で表され、数値が低いほど断熱性能が高いことを示します。

住宅の断熱性能(Ua値) 最低室温(冬季)
0.87(従来の住宅) 10℃以下
0.46(G2住宅) 12~15℃
0.26(G3住宅) 15~18℃

 

② 断熱改修のポイント

断熱改修をする際は、以下の3つのポイントをおさえましょう。

  • 窓の断熱強化(Low-E複層ガラス+樹脂サッシ)
  • 床・壁・天井の断熱材強化
  • 玄関ドアの気密性能を向上

データ(HEAT20調査)

  • G3住宅では、冬季の室温が最低15℃以上を維持
  • 低断熱住宅と比較して、ヒートショックや低体温症のリスクが50%以上減少

引用元:LIXIL | 感染症、厳しい寒さの減災を知る | 災害から家族をまもる、家をつくろう。減災プロジェクト

 

2-2. 全館暖房システムを導入する

家全体の温度を一定に保つために、全館暖房を導入することも有効です。

 

① 暖房設備の種類と特徴
暖房方式 特徴
床暖房 床から放射熱でじんわり暖める
温水パネルヒーター 部屋全体を均一に暖める
エアコン 短時間で暖房できるが、温度ムラが出やすい

 

② 部屋ごとの温度差をなくす

主要な生活部屋(リビング等)と、廊下・浴室・トイレの温度差を3℃以内に抑えることが大切です。最低室温を18℃で維持することで、低体温症のリスクの低減につながるでしょう。

データ(日本建築学会)

  • 全館暖房+高断熱住宅の組み合わせで、低体温症のリスクが60%以上低下

 

2-3. 適切な換気と湿度管理

湿度が低いと、体温の低下が早まり、低体温症のリスクが増加します。そのため、適切な換気と加湿が必要となります。

 

① 換気システムの導入

第一種換気(熱交換換気)を導入し、室温と湿度を一定に保ちましょう。寒い空気をそのまま入れず、快適な温度を維持できますよ。

 

② 加湿器の活用

湿度が40%以下になると、体温低下のリスクが増加します。室内の湿度は、50%前後に維持しましょう。

 

3. まとめ

日本の住宅は断熱性能が低く、冬の室温が10℃以下になることも…。寒い部屋は低体温症を引き起こします。特に高齢者や子どもはリスクが高くなるといわれています。

寒い時期を健康的に過ごすためには、最低でも断熱等級6(G2)、理想は等級7(G3)を目指すとよいでしょう。

さらに、全館暖房+高断熱住宅にすることで、家全体の温度差を3℃以内に抑えられます。換気と湿度管理を適切におこなえば、快適な住環境を維持できますよ。

低体温症を防ぐためには、高断熱・高気密住宅の導入と、全館暖房・適切な換気の組み合わせを検討しましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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参考文献・参考ページ

  1. 国土交通省:「住宅の断熱性能と健康影響」
    https://www.mlit.go.jp
  2. 厚生労働省:「低体温症のリスクと対策」
    https://www.mhlw.go.jp
  3. HEAT20:「G2・G3住宅の基準とメリット」
    https://www.heat20.jp

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