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冬に暖かい家が血圧を安定させる仕組み

2025/02/16(日) 三浦恭輔コラム

皆様こんにちは!

MIURA HOME営業担当の三浦恭輔です。

冬の寒さが血圧に悪影響を及ぼすことは、多くの研究で指摘されています。

寒冷な環境にいると血管が収縮し、血圧が上昇しやすくなるため、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まるといわれています。

今回のコラムでは、冬に暖かい家が血圧を安定させるメカニズムについて解説していきましょう。

 

目次

1. 冬の低室温が血圧に与える影響
1-1. 日本の住宅の室温の実態
1-2.低室温が血圧を上昇させるメカニズム
2. 高断熱住宅(G2・G3レベル)が血圧を安定させる理由
2-1. 室温を一定に保ち、急激な血圧変動を防ぐ
2-2. 夜間の血圧変動を抑え、安眠をサポート
2-3. 湿度管理がしやすく、血圧上昇のリスクを低減
3. 高断熱住宅(G3住宅)の健康効果
4. まとめ

参考文献・参考ページ

 

1. 冬の低室温が血圧に与える影響

寒冷な環境では血管が収縮、血圧が上昇しやすくなり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まるといわれています。特に日本の住宅は断熱性能が低く、冬場の室温が10℃以下になる家も少なくありません。

近年の調査では、高断熱住宅(G2・G3レベル)の家に住むことで、血圧の急上昇を防ぎ、健康リスクを軽減させる可能性があることがわかってきました。

 

1-1. 日本の住宅の室温の実態

日本の住宅の多くは、断熱性能が低く、世界的にみても「冬季の室温が低い」ということが指摘されています。

日本の住宅の室温(冬季の平均値:国土交通省調査)

  • リビング:約15℃
  • 寝室:約10℃
  • 浴室・トイレ:約5℃

これは、WHO(世界保健機関)が推奨する健康維持のための最低室温18℃を大幅に下回っています。

どれだけ「冬季の室温が低いか」がわかりますね。

 

1-2.低室温が血圧を上昇させるメカニズム

寒い環境にいると、体温を維持するために血管が収縮し、血圧が上昇します。

特に寒い部屋から暖かい部屋へ移動する際には、急激な血圧変動が起こり、ヒートショックや心血管疾患のリスクを高める可能性があります。。

引用元:LIXIL | 感染症、厳しい寒さの減災を知る | 災害から家族をまもる、家をつくろう。減災プロジェクト

低温環境と血圧の関係(国立循環器病研究センター)

  • 室温が10℃未満の部屋では、血圧が約20mmHg上昇
  • 温度差が10℃以上あると、心血管系疾患の発生リスクが1.5倍に上昇

 

2. 高断熱住宅(G2・G3レベル)が血圧を安定させる理由

では、高断熱住宅に住むことで、どのようにして血圧を安定させるのでしょうか。

 

2-1. 室温を一定に保ち、急激な血圧変動を防ぐ

高断熱住宅(G3レベル, Ua値0.26W/㎡K)では、室温が18℃以上に維持されます。そのため、リビングや浴室、トイレの温度差が小さくなり、血圧の急変を防ぐことにつながります。

住宅の断熱性能(Ua値)と最低室温の比較(HEAT20調査)

  • Ua値0.87W/㎡K(従来の住宅) → リビング20℃、浴室5℃(温度差15℃)
  • Ua値0.46W/㎡K(G2住宅) → リビング20℃、浴室12℃(温度差8℃)
  • Ua値0.26W/㎡K(G3住宅) → リビング20℃、浴室17℃(温度差3℃)

この結果からもわかるように、高断熱住宅では家全体の温度差を3~5℃以内に抑えることが可能であり、血圧の急上昇を防ぎやすくなるのです。

 

2-2. 夜間の血圧変動を抑え、安眠をサポート

冬の寒い寝室では、体温が低下しやすくなります。交感神経が活性化してしまうため、夜間の血圧が上昇します。

これは、夜間高血圧の原因となり、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高める要因となるでしょう。

寝室の温度と夜間の血圧の関係(日本高血圧学会調査)

  • 寝室温度が10℃以下の家では、夜間血圧が15mmHg上昇
  • 寝室温度を18℃以上に保つことで、血圧変動が安定

高断熱住宅では寝室の温度を18℃以上に維持しやすいため、血圧を安定させることにつながりますよ。

 

 

2-3. 湿度管理がしやすく、血圧上昇のリスクを低減

冬の低断熱住宅では、結露が発生しやすく、カビやダニの繁殖が促進。アレルギー症状や呼吸器疾患が悪化する可能性も……。

呼吸器系の病気は、血圧の変動を引き起こす原因のひとつといわれています。

高断熱住宅では結露の発生を抑え、湿度を適切に管理することができるため、アレルギー症状を抑え、血圧変動のリスク軽減につながります。

 

3. 高断熱住宅(G3住宅)の健康効果

高断熱住宅に住むことで得られる健康上のメリットを、表にまとめました。

健康リスク 低断熱住宅 高断熱住宅(G3)
ヒートショックリスク 高い(年間19,000人死亡) 低い(室温差3℃以内)
高血圧リスク 10℃以下の部屋で血圧15mmHg上昇 寝室温度18℃で安定
夜間高血圧 発生しやすい 発生しにくい
呼吸器疾患リスク カビ・ダニ増殖 湿度管理がしやすい

 

これらのデータからも分かるように、高断熱住宅(G3レベル)に住むことで、血圧の変動を防ぎ、心血管系疾患のリスクを低減することにつながるでしょう。

引用元:LIXIL | 感染症、厳しい寒さの減災を知る | 災害から家族をまもる、家をつくろう。減災プロジェクト

 

4. まとめ

冬の低室温は、血圧の急上昇を引き起こすため、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めるといわれています。

しかし高断熱住宅(G3レベル)であれば、家全体の温度差を3℃以内に抑えることが可能です。室温を18℃以上に維持することで、夜間の血圧上昇を防ぎ、安眠をサポートしてくれるでしょう。

また、高断熱住宅は湿度管理がしやすく、アレルギー症状の抑制にも効果が期待できます。

これからの住宅選びでは、最低でもG2、理想はG3住宅の性能を持つ家を選ぶことが大切です。健康で快適な生活を送るために、ぜひ高断熱住宅の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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参考文献・参考ページ

  1. 国土交通省:「住宅の断熱性能と健康影響」
    https://www.mlit.go.jp
  2. 厚生労働省:「ヒートショックによる死亡者数」
    https://www.mhlw.go.jp
  3. 日本高血圧学会:「低室温と高血圧の関係」
    https://www.jpnsh.jp
  4. HEAT20:「G2・G3住宅の基準とメリット」
    https://www.heat20.jp

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