
長崎で断熱性能はどこまで必要?|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.08.17

目次
結論:長崎で必要な断熱性能
長崎(6地域)で家を建てるなら、UA値0.35以下を最低ライン、0.26以下(HEAT20 G3・パッシブハウス相当)を推奨基準とするのがMIURAHOMEの考え方です。理由は、長崎特有の高温多湿・寒暖差・海風という気候特性にあります。ただし数値はあくまで目安であり、軒の深さ・窓・気密・換気・消費エネルギー量まで含めた総合バランスと、100年後も家族が健康に暮らせることが本質です(詳しくは本文で解説します)。
この記事の執筆者
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
はじめに
最近、
- 「長崎はそこまで寒くないから断熱はいらないのでは」
- 「九州だし、そこまで高い性能は必要ない」
- 「本州の寒い地域の話でしょう?」
という声を耳にする機会が増えています。
しかし結論から言えば、
それは誤解です。
長崎だからこそ、
断熱性能は重要です。
今回は、「長崎において断熱性能はどの程度必要なのか」について、地域区分や具体的な数値を交えて解説します。
長崎の気候の特徴

長崎県は、
- 高温多湿
- 海風の影響を受けやすい
- 寒暖差が大きい
- 台風、降水量が多い
という特徴があります。
つまり、
「冬は思ったより寒く、夏は思った以上に蒸し暑い」
のが長崎の気候です。
体感的に「そこまで寒くない」と感じていても、
実際の住宅内部では、性能不足による不快感が起きやすい地域なのです。
そもそも断熱性能はどう決まる?
断熱性能の基準は、
「地域区分」
によって全国8つの地域に分かれています。
数字が小さいほど寒い地域、
大きいほど温暖な地域です。
長崎県の多くの地域(諫早市、大村市、雲仙市など)は、
「6地域」
に該当します。
6地域は、
「比較的温暖」
に分類される区分です。
「6地域だから性能はそこそこでいい」は本当か?
ここが誤解されやすいポイントです。
6地域は、
「最低限クリアすべき基準がゆるい」
だけであり、
「快適に暮らせる性能」
とは別の話です。
つまり、
国の基準を満たしているからといって、
快適とは限らないのです。
断熱性能を表す数値「UA値」
断熱性能の代表的な指標に、
「UA値(外皮平均熱貫流率)」
があります。
数値が低いほど、
断熱性能が高くなります。
目安として、
一般的な新築住宅(等級4相当)
- UA値:0.87前後
省エネ基準(等級5)
- UA値:0.60以下
ZEH水準(等級6)
- UA値:0.46以下
HEAT20 G3相当(等級7)
- UA値:0.26以下
などがあります。

長崎(6地域)で目安となるHEAT20の基準
HEAT20という、
「本当に快適に暮らすための断熱指標」
があります。
6地域における目安は、
G1
- UA値:0.56以下
- 断熱等級5相当
G2
- UA値:0.46以下
- 断熱等級6相当
G3
- UA値:0.26以下
- 断熱等級7相当
となります。
数値が小さくなるほど、
冬場の底冷えや、
家中の温度差が少なくなります。
では、長崎で実際どのくらいの性能が必要?
MIURAHOMEでは、
「UA値0.35以下」
を、社内で必ず守るべき最低ラインとしています。
そのうえで、標準的に目指しているのは、
「UA値0.26以下(G3・パッシブハウス相当)」
です。
理由は、
- 長崎は寒暖差が大きい
- 夏は高温多湿で蒸し暑い
- 海風で体感温度が下がりやすい
という特徴があるためです。
ただし、UA値・等級がすべてではありません
ここは誤解してほしくないポイントです。
MIURAHOMEは、
「数値さえ良ければいい」
とは考えていません。
本当に大切なのは、
- 軒の深さ(日射遮蔽)
- 窓の種類・配置
- 気密性能
- 計画換気
- 消費エネルギー量
までを含めた、住まい全体のバランスです。
このバランスが取れていれば、
数値上わずかにG3へ届かなくても、
暮らしの快適性が損なわれることはありません。
私たちが最優先しているのは、
「今の快適さ」だけでなく、
「100年後も、家族が健康に暮らし続けられること」
です。
大手ハウスメーカーの断熱性能と比較すると?
参考までに、大手ハウスメーカー各社が公式に公表している断熱性能(UA値)をご紹介します。
※2026年8月時点で、各社公式サイト・プレスリリースにて確認できた標準仕様の数値です。特定の企業への言及は避け、名称は伏せています。

| ハウスメーカー | UA値(標準仕様) |
|---|---|
| 大手ハウスメーカー A社 | 0.40(4〜7地域) |
| 大手ハウスメーカー B社 | 0.41 |
| 大手ハウスメーカー C社 | 0.44(断熱等級6を標準化) |
| MIURAHOME | 0.35以下(下限基準)/0.26以下(推奨) |
MIURAHOMEが必ず守る下限(0.35以下)は、大手ハウスメーカー数社の標準仕様を上回る水準です。
さらに推奨基準としている0.26以下は、業界トップクラスとされる住宅会社の主力商品と比べても遜色ない水準です。
「大手だから安心」ではなく、実際の数値で比較することが大切だと考えています。
※本比較は2026年8月時点で公表されている情報に基づくものであり、各社の仕様は今後変更される可能性があります。出典は本文末の「参考文献」をご確認ください。
性能によって暮らしはどう変わる?
例えば、
一般住宅(UA値0.87前後)
- リビング:22℃
- 脱衣所:10℃前後
- 冬の朝はヒートショックのリスクも
G2相当の高性能住宅(UA値0.46以下)
- リビング:22℃
- 脱衣所:20℃前後
- 家中の温度差が少なく、身体への負担も少ない
つまり、
性能を上げることは、
「快適さ」だけでなく
「健康」
にも直結します。
光熱費への影響
性能を上げることで、
冷暖房効率も大きく変わります。
一般住宅
年間光熱費:約35万円
G2相当の高性能住宅
年間光熱費:約18万円
となると、
年間で約17万円、
30年間では、
約510万円
の差が生まれる可能性があります。
初期費用は多少上がっても、
長期的に見ればコストパフォーマンスに優れているケースが多いのです。
まとめ
長崎は「6地域」に分類され、
比較的温暖な地域とされています。
しかし、
- 高温多湿
- 寒暖差
- 海風
という特徴を踏まえると、
「そこそこの性能」では、
本当の快適さは得られません。
長崎で家を建てるなら、
最低でもUA値0.35以下、
できればUA値0.26以下(G3・パッシブハウス相当)
を目指すことで、
- 一年中快適
- 光熱費を抑えられる
- 家族の健康を守れる
家づくりが可能になります。
「長崎だから」ではなく、
「長崎だからこそ」、
断熱性能にこだわる必要があるのです。
ただし、数値はあくまで手段です。
私たちが本当に目指しているのは、
「今」だけでなく「100年後」も、
家族が健康に暮らし続けられる住まいです。
よくある質問
長崎はどの省エネ地域区分ですか?
長崎県の多くの地域(諫早市、大村市、雲仙市など)は、全国8地域中「6地域」に該当します。比較的温暖な区分とされています。
長崎で家を建てるなら、UA値はいくつを目指せばいいですか?
MIURAHOMEでは、最低ラインとしてUA値0.35以下、推奨基準としてUA値0.26以下(HEAT20 G3・パッシブハウス相当)を目安にしています。
UA値が低ければ低いほど良いのですか?
数値は重要な指標ですが、それだけがすべてではありません。軒の深さ・窓の配置・気密性能・計画換気・消費エネルギー量まで含めた総合的なバランスが、実際の快適性を左右します。
高断熱住宅にすると光熱費はどのくらい変わりますか?
一般的な目安として、一般住宅と比べて高性能住宅では年間で十数万円程度の差が生まれる可能性があります。具体的な金額は建物の条件により異なります。
大手ハウスメーカーと比べてMIURAHOMEの断熱性能はどうですか?
2026年8月時点で公表されている大手ハウスメーカー各社の標準仕様と比較しても、MIURAHOMEの基準は同等以上の水準です。
断熱性能について、もっと詳しく知りたい方へ
MIURAHOMEでは、実際の性能や暮らしの違いを体感いただける完成見学会・個別相談を随時受け付けています。
「我が家に必要な性能はどのくらい?」「G3住宅の暮らしを見てみたい」など、お気軽にご相談ください。
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参考文献
本記事の作成にあたり、以下の情報を参照しました(すべて2026年8月時点で確認)。
- 国土交通省「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令における算出方法等を定める件」省エネルギー基準地域区分
- 一般社団法人 HEAT20(新たな住宅の省エネルギー基準を考える会) グレード別外皮性能水準に関する公表資料
- 世界保健機関(WHO)「Housing and health guidelines」(冬季室温に関する推奨値)
- 大手ハウスメーカー各社 公式サイトおよび公式プレスリリース(標準仕様の断熱性能に関する情報。比較にあたり社名は伏せています)
- MIURAHOME 社内施工基準
※光熱費・体感温度等の試算値は、一般的な目安として算出したものであり、個別の建物の実測値を保証するものではありません。