
長崎でパッシブハウスの資産価値は今後どう変わるのか?|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.08.27

目次
結論:省エネ性能表示の努力義務化など、住宅性能を可視化する動きが進んでおり、パッシブハウスのような客観的な性能証明を持つ住宅は、今後の資産価値評価において有利に働く可能性がある
「性能の高い家は資産価値も高いのでは」——そう素直に感じる方は、きっと多いかもしれません。しかし、日本の不動産市場では、これまで築年数や立地が評価の中心で、性能はあまり反映されてきませんでした。今回は、この状況が今後どう変わっていく可能性があるのかを考えます。
この記事を書いた執筆者について
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
これまでの不動産評価は「築年数」が中心だった
日本の中古住宅市場では、これまで長らく「築年数」が資産価値を左右する最も大きな要素の一つとされてきました。特に木造住宅では、この傾向が非常に顕著に見られます。
築年数が経過すると、実際の断熱性能や気密性能の高さにかかわらず、評価額が一律に下がっていく傾向があります。
つまり、どれだけ高い性能に強くこだわって建てても、その価値が査定に十分に反映されにくいという、もどかしい課題があったのです。
しかし、この状況は少しずつ、しかし確実に変わり始めています。
資産価値の評価軸が変わりつつある3つの理由
住宅の資産価値をめぐる状況が少しずつ変化しつつある背景には、次の3つの理由があります。
1つ目は、省エネ性能表示の努力義務化が始まっていることです。不動産取引の際に、省エネ性能を表示する動きが少しずつ広がりつつあります。
2つ目は、海外では性能の低い住宅は評価が下がる傾向があることです。エネルギー性能証明書が、不動産取引の仕組みに組み込まれている国も少なくありません。
3つ目は、第三者認証は将来の差別化材料になり得ることです。パッシブハウスのような客観的な認証は、性能を証明する具体的で有力な材料になります。

海外に学ぶ、性能と資産価値の関係
ヨーロッパの一部の国では、住宅を売買・賃貸する際に、エネルギー性能証明書の提示があらかじめ義務付けられています。
この証明書によって、買い手や借り手は、その住宅がどれだけ省エネなのかを事前に客観的に把握できます。
性能の低い住宅は、月々の光熱費が高くなることがあらかじめ事前に分かるため、価格交渉の材料になったり、そもそも買い手がつかず売れにくくなったりすることがあります。
日本ではまだこうした仕組みが十分に本格的に浸透していませんが、省エネ性能表示の努力義務化は、その確かな第一歩と捉えることができます。
将来的に、日本でも住宅性能が資産価値により明確に反映される時代が確実に来る可能性は、十分に考えられます。
パッシブハウス認証が持つ「証明力」
パッシブハウス認証は、第三者機関による厳格な審査と実測データの提出を経て取得されます。
これは、「高性能です」という単なる自己申告ではなく、第三者によって客観的に証明された性能だという点が、大きな特徴です。
今後、住宅性能が資産価値の評価により反映されるようになれば、こうした第三者認証は、単なる自己満足ではなく、市場における具体的な差別化材料として機能する可能性があります。
もちろん、不動産市場の評価基準がすぐに大きく変わるわけではありません。しかし、長期的な視点で見れば、性能の証明力を持つ住宅は、将来的に有利な立場になり得ると考えられます。
たとえば、同じ築10年の住宅であっても、断熱性能の裏付けがある住宅とそうでない住宅では、実際の光熱費の差を具体的な数字で示せるかどうかが、将来的な評価の分かれ目になるかもしれません。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、目先の資産価値だけでなく、将来的な評価の変化もしっかりと見据えて、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅をご提案しています。
気密測定などの各種実測データをきちんと記録・保管しておくことも、将来的な性能証明のとても大切な材料として重視しています。
「今の暮らしやすさ」と「将来の資産価値」、その両方の視点を大切にした家づくりを、お客様と一緒に考えています。
竣工時の気密測定結果や省エネ計算書は、お客様にきちんとお渡しし、末永く大切に保管していただくようお願いしています。これらの書類は、将来リフォームや売却を検討される際の、かけがえのない貴重な資料になります。

まとめ
省エネ性能表示の努力義務化など、住宅性能を可視化する動きが進んでおり、パッシブハウスのような客観的な性能証明を持つ住宅は、今後の資産価値評価において有利に働く可能性があります。
これまでの「築年数」中心の評価から、「性能」を含めた評価への移行が、着実に少しずつ進みつつあります。
これから住宅を検討する際は、目先の暮らしやすさだけでなく、将来的な資産価値という視点も、あわせて踏まえてみることをおすすめします。
性能の証明力を持つ住まいは、長期的に見て確かな安心材料の一つになります。
新築時に取得した性能証明の書類は、決して「ただ取っておくだけのもの」ではなく、将来の選択肢を広げてくれる資産の一部だと考えることができます。
よくある質問
Q1. 省エネ性能表示は具体的にどんな制度ですか?
不動産の広告時に、断熱性能や一次エネルギー消費量などの省エネ性能を表示する制度です。買い手が性能を比較しやすくすることを目的としています。詳細は国土交通省の資料をご確認ください。
Q2. パッシブハウス認証を取得すれば、必ず高く売れますか?
必ずしも保証されるものではありません。現時点の日本の不動産市場では、まだ性能が評価額に十分反映されない場合もあります。ただし、快適性や光熱費という実質的な価値そのものは、認証の有無にかかわらず確かに存在します。
Q3. 中古住宅の性能はどうやって確認できますか?
建築時の図面や省エネ計算書、気密測定の記録などがあれば確認できます。記録がない場合は、専門家による現地調査が必要になることもあります。中古住宅を購入する際は、こうした記録の有無を確認しておくことも一つのポイントです。
Q4. 資産価値を重視するなら、どんな記録を残しておくべきですか?
UA値やC値の計算書、気密測定結果、使用建材の仕様書などを、日付とあわせて分かりやすく保管しておくことをおすすめします。
Q5. 長崎の不動産市場でも性能重視の傾向は進んでいますか?
全国的な傾向と比べると、多少の地域差はあります。今後の制度の浸透とともに、長崎の不動産市場でも徐々に変化していくと考えられます。地域の不動産会社の今後の動向にも注目してみてください。
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参考文献
- 国土交通省「住宅の省エネルギー基準に関する資料」
- Passive House Institute 関連資料
- 一般社団法人 日本サステナブル建築協会 関連資料