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三浦 恭輔

長崎の高温多湿な気候に適した住宅とは?|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方

2026.06.13

長崎の高温多湿な気候に適した住宅とは?|MIURAHOME

結論:長崎の気候には「除湿・遮熱・気密」を意識した設計が必要

長崎は高温多湿・海風・降水量の多さが特徴の気候です。この気候に適した住宅にするには、断熱による遮熱だけでなく、計画換気による除湿、気密性能による湿気の侵入防止まで、あわせて設計することが重要です。

この記事の執筆者

三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。


はじめに

「長崎は温暖な気候」

というイメージがありますが、

実際に暮らしてみると、

「夏の蒸し暑さがつらい」

「梅雨時期の湿気が気になる」

と感じる方も少なくありません。

今回は、

長崎の気候に本当に適した住宅について、

解説します。


長崎の気候の特徴(おさらい)

長崎県は、

  • 高温多湿
  • 海風の影響を受けやすい
  • 降水量が多い
  • 寒暖差が大きい

という特徴を持っています。

特に梅雨から夏にかけては、

湿度が非常に高くなる日が続きます。この時期の対策を誤ると、カビやダニの発生、建材の劣化にもつながりかねません。


対策①:断熱による「遮熱」

長崎の気候に適した住宅の3つの対策(遮熱・除湿・気密)

断熱性能が高いと、

外の熱が室内に伝わりにくくなります。

特に、

深い庇や窓の日射遮蔽によって、

夏の強い日差しを遮ることが、

効果的な対策になります。


対策②:計画換気による「除湿」

高温多湿な気候では、

室内の湿気を、

計画的に排出する仕組みが欠かせません。

熱交換率の高い第一種換気であれば、

冷房で得た涼しさを保ちながら、

湿った空気を排出できます。窓を開けての自然換気だけに頼ると、湿度の高い外気をかえって室内に取り込んでしまうこともあるため注意が必要です。

見落とされがちな「夏型結露」

結露というと、

冬に起こるものと、

思われがちです。

しかし実は、

夏にも「夏型結露(逆転結露)」

と呼ばれる現象が起こります。

これは、

高温多湿な外気と、

冷房で冷えた室内との温度差によって、

壁の中で水滴が発生する現象です。

特に、

気密性能が低く、

室内が負圧になりやすい住宅では、

隙間から高温多湿な外気が吸い込まれ、

夏型結露のリスクが高まります。

冷房を多用する長崎の夏においては、

冬の結露対策だけでなく、

この夏型結露への意識も、

欠かせないポイントです。


対策③:気密性能による「湿気の侵入防止」

気密性能が低いと、

隙間から湿った外気が、

壁の中や室内に入り込みやすくなります。

これは、

不快感だけでなく、

壁内結露やカビのリスクにもつながります。

気密性能を高めることは、

長崎の気候において、

特に重要な対策のひとつです。

「調湿建材」だけに頼るのは危険

湿気対策というと、

漆喰や珪藻土といった、

「調湿効果のある自然素材」が、

よく紹介されます。

これらの素材には、

一定の調湿効果があるとされていますが、

その効果には限界があります。

高温多湿な長崎の気候において、

仕上げ材だけで湿度をコントロールするのは、

現実的ではありません。

まずは、

  • 気密性能を高めて、外部からの湿気の侵入を防ぐ
  • 計画換気で、室内の湿気を継続的に排出する

という「仕組み」を整えたうえで、

仕上げ材による調湿効果を、

補助的に活用するという考え方が、

現実的な対策といえます。


海風・台風への配慮

長崎県は、

海に近く、

海風や台風の影響を受けやすい地域です。

外壁材や屋根材の耐久性、

外部シェードの選定なども、

気候特性を踏まえて検討する必要があります。


MIURAHOMEの考え方

MIURAHOMEでは、長崎の気候を踏まえ、断熱性能「UA値0.35以下(最低ライン)/0.26以下(推奨)」、気密性能「C値0.19以下」を基準としています。窓は樹脂枠・日射遮蔽型トリプルガラスを基本とし、庇は90cm〜1.2mとできる限り深く設けています。

換気は熱交換率80%以上の第一種熱交換換気(Zehnder製)を採用し、外部シェードには外付けブラインドのヴァレーマを取り入れるなど、長崎ならではの気候対策を、標準仕様に組み込んでいます。夏型結露のリスクを抑える観点からも、気密性能の実測と計画換気の徹底を欠かしていません。

MIURAHOME標準仕様一覧(UA値・C値・換気・窓・耐震ほか)

まとめ

長崎の高温多湿な気候に適した住宅には、

  • 断熱・日射遮蔽による「遮熱」
  • 計画換気による「除湿」
  • 気密性能による「湿気の侵入防止」

という3つの対策が欠かせません。

「温暖だから大丈夫」ではなく、

長崎ならではの気候特性を踏まえた設計を、

意識してほしいと思います。冬の結露だけでなく、夏型結露のリスクにも目を向けることが、長崎で長く快適に暮らす住まいづくりにつながります。


よくある質問

長崎で家を建てる際、最も注意すべき気候の特徴は何ですか?

高温多湿・海風・降水量の多さ・寒暖差が挙げられます。特に梅雨から夏にかけての高い湿度は、断熱・気密・換気を総合的に考えないと、不快感やカビのリスクにつながりやすい要因です。

湿気対策には、除湿機を使うだけでは不十分ですか?

除湿機は補助的な対策として有効ですが、根本的な対策にはなりません。気密性能を高めて湿った外気の侵入を防ぎ、計画換気で室内の湿気を継続的に排出する設計が、より効果的です。

海に近い地域では、どんな配慮が必要ですか?

海風や台風の影響を受けやすいため、外壁材や屋根材の耐久性、外部シェードの選定などを、気候特性を踏まえて検討する必要があります。

温暖な地域だから、断熱性能はそこまで必要ないのでは?

温暖なイメージとは裏腹に、高温多湿・寒暖差という特性から、断熱・気密性能への投資は暮らしの快適性に直結します。長崎だからこそ、性能をしっかり確保することをおすすめします。

夏型結露とは何ですか?

高温多湿な外気と、冷房で冷えた室内との温度差によって、壁の中で水滴が発生する現象です。気密性能が低く室内が負圧になりやすい住宅では、隙間から高温多湿な外気が吸い込まれ、リスクが高まります。

漆喰や珪藻土を使えば湿気対策は十分ですか?

これらの自然素材には一定の調湿効果がありますが、効果には限界があります。高温多湿な長崎の気候では、まず気密性能と計画換気という「仕組み」を整えたうえで、仕上げ材の調湿効果を補助的に活用することが現実的です。

エアコンを我慢すれば夏型結露は防げますか?

冷房の使用を控えることは根本的な解決にはなりません。夏型結露は建物の気密性能や湿気の侵入経路が主な原因であるため、快適に冷房を使いながらも結露のリスクを抑えるには、住宅そのものの性能を見直すことが重要です。


断熱性能について、もっと詳しく知りたい方へ

MIURAHOMEでは、長崎の気候に合わせた設計を実際にご説明する完成見学会・個別相談を随時受け付けています。

お気軽にご相談ください。


関連コラム


参考文献

本記事の作成にあたり、以下の情報を参照しました(すべて2026年8月時点で確認)。

  • 気象庁 長崎県の気候特性に関する公表資料
  • 国土交通省 建築物省エネ法における外皮性能・気密性能・換気に関する資料
  • MIURAHOME 社内施工基準
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