
冬の朝、室温10℃の家と20℃の家では何が違う?|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.07.18

目次
結論:室温10℃と20℃の差は、体感だけでなく血圧や血管にも明確な違いを生む
「起きた瞬間の寒さ」は、多くの人が経験する冬ならではの悩みです。その差はただの不快感にとどまらず、体にも具体的な影響を与えていることをご存じでしょうか。10℃と20℃という2つの室温を具体的に比較しながら、何が起きているのかを見ていきます。
この記事の執筆者
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
はじめに
冬の朝、
目覚まし時計が鳴っても、
布団の中からなかなか出られない。
そんな経験は、
きっと多くの方にあるはずです。
実はこの「出たくない」という感覚、
意志の弱さではなく、
室温という数字が引き起こす、
体の防御反応でもあります。
同じ「起床」という行為であっても、
室温が10℃の場合と、
20℃の場合とでは、
体が受ける負担はまったく異なります。
室温10℃の朝に、体で起こりやすいこと

室温が10℃前後まで下がると、
私たちの体は、
これらの変化を、
同時に経験することになります。
一方で、
室温が20℃程度に保たれていれば、
こうした反応の多くは、
起こりにくくなります。
なぜ「起床時」の室温が、家の中で一番低くなりやすいのか
多くの家庭では、
光熱費を気にして、
就寝中は暖房を切るか、
タイマーで停止する設定にしています。
断熱性能が低い住宅では、
暖房を止めたその瞬間から、
室温がどんどん外気に近づいていき、
明け方には、
1日の中で最も低い室温になってしまいます。
つまり、
「起きる瞬間」というのは、
1日のうちで最も寒く、
最も体に負担がかかりやすい、
タイミングだといえます。
せっかく暖かい布団の中で気持ちよく目覚めても、
その先の室内環境が寒ければ、
気持ちよく1日を始めることは、
なかなか難しくなってしまいます。
断熱性能が高い家では、朝でも室温が下がりにくい
断熱・気密性能が高い住宅では、
夜間に暖房を止めても、
室内の熱が逃げにくいため、
朝まで室温が、
大きく下がりません。
前日の日中に暖めた熱を、
家全体が魔法瓶のような「保温容器」のように、
保持し続けるイメージです。
その結果として、
起床時の室温が20℃前後に保たれ、
10℃の家で起こるような、
体への急激な負担を、
避けることができます。
暖房の入れ忘れや、
タイマー設定のちょっとしたミスがあっても、
室温が極端に下がりにくいという安心感も、
高断熱住宅の隠れたメリットのひとつです。
1分1秒を争う、朝の身支度への影響
室温10℃の朝は、
着替えひとつをとっても、
大きな負担になります。
冷えた服に袖を通すたびに、
思わず声が出るほど、
身がすくむような感覚を、
経験したことがある方も多いはずです。
洗面所やトイレへの移動でも、
廊下の冷え込みが加わり、
身支度全体に、
思った以上に余計な時間がかかってしまいます。
一方で室温20℃であれば、
こうしたストレスの多くを、
ほとんど感じることなく、
スムーズに1日を始められます。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、断熱性能「UA値0.35以下(最低ライン)/0.26以下(推奨)」、気密性能「C値0.19以下」を標準とし、暖房を止める夜間でも、室温が大きく下がらない住まいづくりを大切にしています。
冬の朝、起きた瞬間から快適に過ごせることを、ひとつの目標としています。家全体を効率よく暖める設計が、暮らしの質を底上げすると考えています。

まとめ
室温10℃と20℃の差は、
単なる主観的な体感の違いではなく、
血圧や血管への負担にも、
つながる違いです。
特に、
暖房を止めた後の起床時は、
家の中で最も室温が下がりやすい、
タイミングでもあります。
断熱・気密性能をしっかりと高めることは、
「冬の朝」という、
1日の中でも特に厳しい時間帯の質を、
大きく変える力を持っています。
1年のうち冬は数ヶ月にわたって続くからこそ、
その差は、
暮らし全体の満足度に、
じわじわと大きく影響してきます。
よくある質問
朝だけ暖房をつけるのは効果がありますか?
起床前にタイマーで暖房をつける方法は有効ですが、断熱性能が低い住宅では、暖まるまでに時間がかかったり、光熱費がかさんだりすることがあります。断熱性能とあわせて検討することをおすすめします。
寝室だけ暖かくしておけば十分ですか?
寝室が暖かくても、廊下や洗面所との温度差が大きいと、移動時の負担は残ります。家全体の温度差を小さく保つことが理想的で、断熱・気密性能がその土台になります。
10℃という数字に、明確な根拠はありますか?
明確な基準ではありませんが、断熱性能が低い住宅で暖房を切って就寝した場合の、冬の明け方の室温として、実際に報告されることが多い水準です。WHOが推奨する18℃を、大きく下回る数字です。
築年数が古い家でも、起床時の室温を改善する方法はありますか?
内窓の設置や床の断熱リフォームなど、部分的な対策でも一定の改善が期待できます。特に窓は熱の出入りが大きい部分のため、優先的に検討する価値があります。予算やリフォーム範囲について、専門家に相談することをおすすめします。
高齢の家族がいる場合、特に注意すべきですか?
高齢の方は寒暖差による血圧変動の影響を、特に受けやすいとされているため、起床時の室温には注意が必要です。寝室からトイレや洗面所までの動線上の温度差も含めて、あわせて考えることをおすすめします。
エアコンの自動運転で、朝の室温を保つことはできますか?
タイマー機能を活用すれば、起床前に室温を上げておくことは可能です。ただし、断熱性能が低い住宅では、暖房を止めた瞬間から急速に冷えてしまうため、せっかく暖めても効果が持続しにくい傾向があります。
室温を測る場合、どこで測定するのが正確ですか?
床から1メートル程度の高さで、直射日光や暖房の風が直接当たらない場所での測定が目安とされています。起床時は布団の中と室内の温度差が大きいため、両方を意識してみるとよいでしょう。市販の温度計を寝室に置いておくと、日々の変化にも気づきやすくなります。
快適な冬の朝を迎えられる住宅性能について、もっと詳しく知りたい方へ
MIURAHOMEでは、暖房を止めても室温が下がりにくい住まいづくりについて、実際の建物でご説明する完成見学会・個別相談を随時受け付けています。
性能に関するご質問には、丁寧にお答えいたします。お気軽にご相談ください。
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参考文献
本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしました(すべて2026年8月時点で確認)。
- 世界保健機関(WHO)「WHO Housing and health guidelines」(2018年)
- 国土交通省 スマートウェルネス住宅等推進事業に関する調査資料
- MIURAHOME 社内施工基準