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三浦 恭輔

九州・長崎だからこそパッシブハウスを考えたい理由|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方

2026.08.21

九州・長崎だからこそパッシブハウスを考えたい理由|MIURAHOME

結論:九州・長崎は温暖で暖房需要基準をクリアしやすく、夏の蒸し暑さや台風、電気代高騰への備えという面でも、パッシブハウスの考え方が特に活きる地域である

「パッシブハウスは寒い地域のための基準」というイメージから、九州や長崎ではあまり縁がないと、なんとなく感じている方もいるかもしれません。しかし実際は、九州・長崎だからこそ得られるメリットが数多くあります。今回は、その理由をひとつずつ整理します。

この記事を書いた執筆者について

三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。


「寒冷地のための基準」という思い込み

パッシブハウスは、もともと寒さの厳しいドイツで生まれた基準であることから、「北海道や東北のような寒冷地でこそ本当に意味がある」と考えられがちです。

しかし、パッシブハウスの基準には、暖房需要だけでなく冷房需要の評価もしっかり含まれています。

つまり、夏の暑さが厳しい地域にとっても、十分すぎるほど意味のある基準だということです。

むしろ、九州・長崎のような温暖な地域だからこそ、この地域ならではの相性の良さがあると言えます。

九州・長崎とパッシブハウスの相性が良い3つの理由

九州・長崎という地域を踏まえると、パッシブハウスには次のような具体的なメリットがあります。

1つ目は、温暖ゆえ暖房需要基準をクリアしやすいことです。寒冷地と比べて、同じ性能を達成するための追加コストがぐっと抑えやすくなります。

2つ目は、夏の蒸し暑さに冷房需要基準が効果を発揮することです。パッシブハウスの総合評価は、九州特有の高温多湿な夏にこそ、その真価を発揮します。

3つ目は、台風・電気代高騰への備えにもなることです。高い断熱・気密性能は、停電時の室温維持や、光熱費上昇への確かな耐性にもつながります。

九州・長崎とパッシブハウスの相性が良い3つの理由

高温多湿な夏こそ、総合評価が活きる

九州の夏は、気温の高さに加えて湿度も高く、体感的な暑さは本州の一部地域よりもいっそう厳しく感じられることがあります。

パッシブハウスの評価では、日射遮蔽や換気計画まで含めた冷房需要が細かく計算されるため、こうした高温多湿な気候への対応力が、設計段階から最初からしっかり組み込まれます。

断熱性能だけを見て「冬の寒さ対策」と考えがちですが、パッシブハウスの考え方は、夏の暑さ対策としても非常に効果的だと言えます。

庇の深さや外付けブラインド、窓の配置など、日射遮蔽の工夫が総合評価に反映されるからこそ、九州の夏でも快適な室内環境を実現しやすくなるのです。

実際に、断熱性能ばかりを重視して日射遮蔽を軽視した住宅では、冬は暖かくても、夏はかえって室温が上がりやすくなるという逆効果が起きることもあります。パッシブハウスの総合評価は、こうした偏りを防ぐ役割も果たしています。

台風・停電・電気代高騰という地域特有の課題

九州・長崎は、台風の通り道になりやすく、毎年のように停電のリスクと真剣に向き合う地域でもあります。

高い断熱・気密性能を持つ住宅は、停電時でも室温の変化が緩やかで、エアコンが使えない状況でも、比較的快適な環境をしばらく保ちやすいという特徴があります。

また、電気料金の上昇が続く昨今、暖房・冷房需要そのものを抑えるパッシブハウスの考え方は、家計への影響を和らげる大切な備えにもなります。

こうした地域特有の課題に対して、パッシブハウスは単なる「省エネ基準」以上の意味を持つと言えるでしょう。

実際に、大型台風の後に長時間の停電を経験された方からは、「エアコンが使えなくても、思ったより室内が快適だった」という声をよく聞くことがあります。これは、高い断熱・気密性能が生み出す、目に見えにくい安心材料の一つです。

MIURAHOMEの考え方

MIURAHOMEは長崎県諫早市を拠点に、九州の気候特性をしっかり踏まえたパッシブハウス基準の住宅づくりを行っています。

寒冷地の基準をそのまま持ち込むのではなく、九州特有の高温多湿な夏、台風、電気代の動向まで幅広く考慮した設計を大切にしています。

「寒冷地のための基準」という一般的なイメージにとらわれず、地域に根ざした視点でパッシブハウスの本当の価値をお伝えしたいと考えています。

設計の際には、九州特有の高温多湿な夏を見据えた日射遮蔽計画や、台風時の停電を想定した太陽光発電・蓄電池の組み合わせまで、地域の暮らしに即した総合的なご提案を心がけています。

全国一律の基準やイメージに頼るのではなく、実際にこの地域で長く暮らす方の視点に立った家づくりを、今後も大切にしていきたいと考えています。

MIURAHOME標準仕様

まとめ

九州・長崎は、温暖で暖房需要基準をクリアしやすく、夏の蒸し暑さや台風、電気代高騰への備えという面でも、パッシブハウスの考え方が特に活きる、恵まれた地域です。

「寒冷地のための基準」という思い込みを一度きちんと見直し、地域特性に合わせた確かなメリットを理解することが大切です。

九州・長崎でパッシブハウスを検討する際は、地域の気候を熟知した住宅会社にじっくり相談することをおすすめします。

地域特性を踏まえた設計こそが、パッシブハウスの本来の価値を最大限に引き出す鍵になります。

「寒い地域の話」と決めつけず、九州・長崎に暮らす一人として、パッシブハウスという選択肢を一度きちんと検討してみる価値は十分にあります。

よくある質問

Q1. 九州でパッシブハウス認定を取得する事例は増えていますか?

全国的にはまだ多くありませんが、徐々に増加傾向にあります。実績のある住宅会社に、具体的な施工事例を確認してみてください。

Q2. 冷房需要基準は具体的にどう評価されますか?

窓からの日射熱取得、遮蔽方法、換気計画などを総合的に計算し、年間の冷房需要(kWh/㎡)という一つの数値として評価されます。専用ソフトによる精密な計算が必要です。

Q3. 台風対策とパッシブハウスは直接関係がありますか?

認証基準そのものには直接含まれませんが、高断熱・高気密であることは、停電時の室温維持など、防災面での副次的なメリットに確かにつながります。

Q4. 九州は他地域よりパッシブハウスの初期費用が安くなりますか?

寒冷地と比べて必要な断熱性能の水準が相対的に低く済む傾向があり、コストパフォーマンスの面で有利になることが多いです。ただし仕様や住宅会社によって差があるため、複数社に見積もりを取ることをおすすめします。

Q5. 長崎以外の九州地域でも同じことが言えますか?

基本的な考え方は共通していますが、地域ごとの気候特性(内陸・沿岸、標高など)に応じた検討が必要です。地域に根ざした住宅会社に、具体的な気候データを踏まえた相談をすることをおすすめします。

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参考文献

  • Passive House Institute 関連資料
  • 気象庁 気候データ
  • 一般社団法人 日本サステナブル建築協会 関連資料
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