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三浦 恭輔

長崎の冬は本当に暖かい?住宅性能から考える|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方

2026.08.14

長崎の冬は本当に暖かい?住宅性能から考える|MIURAHOME

結論:長崎は全国的には温暖な地域区分に含まれるが、冬の最低気温は決して高くなく、断熱性能が低い住宅では体感的な寒さをしっかり感じる

「長崎は雪も少ないし、冬でも比較的暖かいはず」というイメージを持っている方は、実は少なくないのではないでしょうか。このイメージは間違いではありませんが、住宅の温熱環境を考えるうえでは、少し注意が必要です。今回は、そのギャップについて解説します。

この記事を書いた執筆者について

三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。


「長崎=温暖」というイメージの正体

長崎は全国的に見て、比較的温暖な気候区分に位置づけられている地域です。

雪が積もる日は少なく、真冬日(最高気温が氷点下の日)もほとんど観測されないのが実情です。

こうした事実から、「長崎の冬は暖かい」というイメージが広く世間に定着しているのは自然なことです。

しかし、このイメージには一つの落とし穴があります。それは「雪が降らない=家の中が暖かい」とは限らないということです。

「長崎は暖かい」というイメージと実際の違い

長崎の冬の気候を、住宅性能の視点から見直すと、いくつかの見落としがちなポイントが見えてきます。

1つ目は、最低気温は東京とさほど変わらない日もあることです。冬の朝晩は、長崎でも氷点下近くまで実際に冷え込むことがあります。

2つ目は、断熱性能が低ければ体感はもっと寒いことです。外気温が同じでも、住宅の性能次第で室内の体感温度は驚くほど大きく変わります。

3つ目は、「温暖地域」の基準は最低ラインにすぎないことです。地域区分は、あくまで断熱基準を定めるための行政上の目安であり、快適さを保証するものではありません。

「長崎は暖かい」というイメージと実際の違い

「気温」と「体感温度」は別のもの

気象庁が発表する気温は、あくまで屋外の空気の温度を示す数値です。

一方、私たちが室内で実際に感じる寒さは、室温だけでなく、壁や床、窓の表面温度からの放射熱の影響も大きく受けます。

断熱性能が低い住宅では、外気温がそれほど低くなくても、壁や窓の表面がひんやりと冷え、そこから放射される冷気によって、体感的にはより寒く感じられます。

これが、「長崎は雪が降らないのに、家の中は思ったより寒い」という声が実際に数多く聞かれる理由です。

屋外の気温データだけを見て「暖かいはず」と判断するのではなく、住宅そのものの性能まで含めて考える必要があるのです。

実際に、長崎に移住してきた方や、性能の低い家から住み替えた方からは、「思っていたより冬が寒かった」という声を聞くことがあります。これは長崎の気候が想像と違ったというより、住宅の断熱性能に対する認識のギャップが原因であるケースがほとんどです。

逆に言えば、断熱性能さえしっかり確保できていれば、長崎の温暖な気候は住宅性能にとって決して不利な条件ではありません。

地域区分という基準の限界

住宅の省エネ基準では、全国が8つの地域区分に分けられており、長崎県の多くの地域は比較的温暖な区分に該当します。

この区分に基づいて定められる断熱性能の基準値は、あくまで「最低限クリアすべきライン」であり、快適な暮らしを積極的に保証してくれる数値ではありません。

「温暖地域だから最低基準で十分」と考えてしまうと、実際に住み始めてから、冬の朝の冷え込みに思わず驚いてしまうことになりかねません。

地域区分の基準はあくまで出発点として捉え、そこからどれだけ性能を積み増すかを考える視点が大切です。

近年は電気代の上昇も続いており、最低基準ぎりぎりの断熱性能では、冷暖房費がかさみやすくなるという別の問題も見過ごせません。快適性とランニングコストの両面から、基準値を上回る性能を検討する価値は十分にあります。

MIURAHOMEの考え方

MIURAHOMEでは、「長崎は温暖だから」という前提に甘えず、UA値0.35以下(最低ライン)、0.26以下(推奨)という、地域基準を大きく上回る断熱性能を標準としています。

C値0.19以下の高い気密性能もあわせて確保することで、外気温にかかわらず、朝晩の冷え込みが厳しい日でも安定した快適な室内環境を実現しています。

「長崎だから寒くないはず」ではなく、「長崎でも本当に暖かい家をつくる」という考え方を大切に、日々の家づくりに取り組んでいます。

実際にお住まいのお客様からは、「冬の朝、以前住んでいた家との違いに驚いた」というお声をいただくことも多く、地域のイメージに頼らない性能づくりの手応えを感じています。

見学会にお越しいただいた際は、実際の室内の温度差を体感していただくことで、数値だけでは伝わりにくい快適性を実感していただけるよう努めています。

MIURAHOME標準仕様

まとめ

長崎は全国的に見れば温暖な地域ですが、冬の最低気温は決して高くなく、断熱性能が低い住宅では体感的な寒さをしっかり感じることになります。

「雪が降らない=家の中が暖かい」というイメージと、実際の住み心地との間には、性能次第でギャップが生まれます。

地域のイメージだけに頼らず、断熱・気密性能という具体的な数値を確認することが、後悔しない家づくりの第一歩です。

「長崎だから大丈夫」ではなく、「性能を確認したから大丈夫」と言える住まいを目指してみてください。

住宅会社を検討する際は、地域の気候イメージに頼った説明だけでなく、UA値やC値といった具体的な数値をきちんと提示してもらえるかどうかも、確認しておきたいポイントです。

よくある質問

Q1. 長崎の冬の最低気温はどのくらいですか?

年や地域によって差はありますが、氷点下近くまで冷え込む日も珍しくありません。特に内陸部の諫早などでは、盆地特有の放射冷却によって、より冷え込みやすい傾向があります。

Q2. 断熱性能が低いと、具体的にどんな不快感がありますか?

起床時の寒さ、廊下や脱衣所とリビングの温度差、窓際の冷気などが代表的です。こうした温度差はヒートショックのリスクにもつながります。

Q3. 長崎の断熱基準は他県と比べて低いのでしょうか?

地域区分上は温暖な扱いのため、基準値自体は他の寒冷地より緩やかです。ただし、これはあくまで最低限の基準であり、快適さを保証するものではない点に注意が必要です。

Q4. すでに建てた家の寒さを改善する方法はありますか?

内窓の設置や床下・天井の断熱補強など、部分的な改修で改善できるケースもあります。まずは専門家に現状を診断してもらうことをおすすめします。

Q5. 体感温度を左右する要素は何ですか?

室温だけでなく、壁や床、窓の表面温度からの放射熱、湿度、気流の4つが主な要素とされています。これらは「温熱4要素」とも呼ばれ、快適性を考える基本的な指標です。

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参考文献

  • 気象庁 気候データ
  • 国土交通省「住宅の省エネルギー基準に関する資料」
  • 一般社団法人 日本サステナブル建築協会 関連資料
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