
長崎で高断熱住宅を建てる意味とは?|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.06.06

目次
結論:長崎で高断熱住宅を建てる意味
長崎で高断熱住宅を建てる意味は、「快適性」「経済性」「健康」という3つの価値を、長期間にわたって得られることにあります。長崎は温暖なイメージを持たれがちですが、実際には高温多湿・寒暖差・海風という特有の気候があり、性能への投資が暮らしに直結しやすい地域です。
この記事の執筆者
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
はじめに
「長崎は雪も降らないし、そこまで寒くないから、断熱にこだわらなくてもいいのでは?」
家づくりの相談を受けていると、
このような声を、よく耳にします。
たしかに、
長崎は雪国のような厳しい寒さはありません。
しかし、
「寒くないから断熱は不要」
という考え方には、
誤解が含まれています。
この記事では、
長崎で高断熱住宅を建てる意味について、
解説します。
そもそも高断熱住宅とは
高断熱住宅とは、
壁・屋根・床・窓などから、
熱が逃げにくい構造を持つ住宅のことです。
「UA値(外皮平均熱貫流率)」
という指標で評価され、
数値が小さいほど、
断熱性能が高いことを意味します。
なぜ「長崎で」あえて語る必要があるのか
高断熱住宅というと、
北海道や東北など、
寒冷地の話だと思われがちです。
しかし実際には、
長崎のような温暖な地域こそ、
見落とされやすいポイントがあります。
「そこまで寒くないから」
という油断が、
性能への投資を後回しにさせてしまうのです。
高断熱住宅がもたらす3つの価値

①快適性
断熱性能が高いと、
家中の温度差が小さくなります。
リビングだけでなく、
廊下や脱衣所まで、
快適な温度を保ちやすくなります。
②経済性
熱が逃げにくいということは、
冷暖房効率が上がるということです。
結果として、
光熱費を長期的に抑えられます。
③健康
WHO(世界保健機関)は、
冬季室温18℃以上を推奨しています。
室温の変化が少ない住まいは、
身体への負担を減らすことにもつながります。
長崎の気候だからこそ、性能が効いてくる
長崎県は、
- 高温多湿
- 海風の影響を受けやすい
- 寒暖差が大きい
という気候特性を持っています。
「そこまで寒くない」という体感の裏側で、
湿気による不快感や、
朝晩の底冷えが、
住まいの快適性を静かに損なっています。
性能は、建てた後から変えられない
内装やキッチンは、
後からリフォームできます。
しかし、
壁の中の断熱材や、
建物全体の気密性能は、
建てた後から変えることが非常に困難です。
だからこそ、
最初の選択が重要になります。
住宅の設計で、性能はどう活きてくるのか
断熱・気密の数値だけでなく、
「設計」も、暮らしの快適性を大きく左右します。
たとえば窓は、
南面に大きく配置し、
東西面は基本的に設けないという考え方があります。
東西の窓は、
朝夕の低い角度の日差しが入り込みやすく、
夏の冷房負荷を増やしてしまう原因になりやすいためです。
また、庇(軒)の深さも重要です。
深い庇があると、
夏の高い日差しを遮りながら、
冬の低い日差しは室内に取り込むことができます。
基礎についても、
「基礎外断熱」という方法を採用すると、
基礎のコンクリート自体を、
室内の温度を安定させる「蓄熱体」として活かすことができます。
つまり高断熱住宅とは、
断熱材の厚みだけで決まるものではなく、
窓の配置・庇の深さ・基礎の設計まで含めた、
「建物全体の設計」によって実現されるものなのです。
第三者からも「性能」を証明してもらう
住宅会社が独自に「高性能です」と説明するだけでは、
その根拠が伝わりにくいこともあります。
そこで参考になるのが、
第三者機関による認定制度です。
代表的なものに、
- BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)
- 長期優良住宅認定
があります。
BELSは、
建物の省エネ性能を星の数で示す制度で、
第三者機関の審査を経て取得します。
長期優良住宅認定は、
耐震性・省エネ性・維持管理のしやすさなど、
複数の基準を満たした住宅であることを、
行政が認定する制度です。
住宅会社の説明を鵜呑みにするのではなく、
こうした客観的な認定を取得しているかどうかも、
判断材料の一つにすることをおすすめします。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、断熱性能について「UA値0.35以下」を最低ライン、「UA値0.26以下(G3・パッシブハウス相当)」を推奨基準としています。気密は「C値0.19以下(cm²/㎡)」、換気は熱交換率80%以上の第一種熱交換換気(Zehnder製)を標準としています。
窓は樹脂枠・日射遮蔽型トリプルガラスを基本とし、南面中心に配置。庇は90cm〜1.2mとできる限り深く設け、基礎は基礎外断熱でコンクリートを蓄熱体として活かします。耐震等級3を確保したうえで、BELS・長期優良住宅の認定取得も推奨しています。
ただし、これらの数値はあくまで手段です。私たちが最も重視しているのは「冷暖房需要(kWh/㎡)」——お客様に直接還元される快適さと経済効果を表す指標であり、目的は「今」だけでなく「100年後」も、家族が健康に暮らし続けられる住まいです。

まとめ
長崎で高断熱住宅を建てる意味は、
- 家中どこにいても快適に過ごせること
- 光熱費を長期的に抑えられること
- 家族の健康的な暮らしにつながること
の3つに集約されます。
「長崎は寒くないから」ではなく、
「長崎だからこそ」、
断熱性能を考えてほしいと思います。
よくある質問
長崎は温暖なので、断熱性能にこだわる必要はありませんか?
長崎は高温多湿・海風・寒暖差という特有の気候があり、体感以上に住宅内の快適性が損なわれやすい地域です。温暖だからこそ見落とされがちですが、断熱性能への投資は暮らしの質に直結します。
高断熱住宅にすると、どんなメリットがありますか?
大きく「快適性」「経済性」「健康」の3つのメリットがあります。家中の温度差が減り、光熱費を抑えられ、室温変化による身体への負担も軽減されます。
断熱性能は後から変更できますか?
内装やキッチンと異なり、壁の中の断熱材や建物全体の気密性能は、建てた後から変更することが非常に困難です。設計・建築段階での判断が重要です。
MIURAHOMEの断熱性能の基準はどのくらいですか?
最低ラインとしてUA値0.35以下、推奨基準としてUA値0.26以下(HEAT20 G3・パッシブハウス相当)を目安にしています。
断熱性能について、もっと詳しく知りたい方へ
MIURAHOMEでは、実際の性能や暮らしの違いを体感いただける完成見学会・個別相談を随時受け付けています。
「我が家に必要な性能はどのくらい?」など、お気軽にご相談ください。
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- 健康長寿の家づくり|G3住宅を選ぶメリット
参考文献
本記事の作成にあたり、以下の情報を参照しました(すべて2026年8月時点で確認)。
- 国土交通省 建築物省エネ法における外皮性能(UA値)に関する資料
- 一般社団法人 HEAT20 グレード別外皮性能水準に関する公表資料
- 世界保健機関(WHO)「Housing and health guidelines」(冬季室温に関する推奨値)
- MIURAHOME 社内施工基準