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三浦 恭輔

家づくりで最初に見るべき数字は「坪単価」ではない|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方

2026.08.29

家づくりで最初に見るべき数字は「坪単価」ではない|MIURAHOME

結論:坪単価は住宅会社ごとに計算方法が異なり、比較の出発点には向きません。家づくりで最初に確認すべきは、UA値・C値・冷暖房需要という、暮らしの質と将来のコストを左右する数値です

「まずは坪単価で比較しよう」——家づくりを始めたとき、多くの方がまず最初に手にする指標です。しかし、本当に最初に見るべき数字は、坪単価ではありません。

この記事を書いた執筆者について

三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。


なぜ坪単価は「最初の一歩」として向かないのか

坪単価は、建築費を延床面積で割っただけの、非常にシンプルな指標です。

しかし、「建築費」に何を含めるか、「延床面積」に何を含めるかは、住宅会社によって実にバラバラです。

同じ「坪単価60万円」という表示でも、中身がまったく違うということが、実際に十分起こり得ます。

さらに、坪単価という一つの数字には、断熱・気密性能の差が、ほとんど正しく反映されません。

つまり、坪単価という数字だけを見て会社を比較することは、判断材料として、そもそも不十分だと言えるのです。

坪単価より先に、必ず確認すべき3つの数値

では、家づくりで最初に何を確認すべきなのでしょうか。答えは、暮らしの質と将来のコストに、直接大きく影響する性能数値です。

1つ目は、UA値です。MIURAHOMEでは0.35以下を最低ライン、0.26以下を推奨の基準としています。

2つ目は、C値です。実測値で0.19以下という高い気密性能を、全棟でしっかり確保しています。

3つ目は、冷暖房需要です。kWh/㎡という単位で、暮らし始めてからの年間エネルギー消費量が見えてきます。

坪単価より先に確認すべき3つの数値

性能数値を「坪単価より先」に見るべき本当の理由

性能数値を優先して確認すべき理由は、大きく分けて3つあります。

1つ目は、完成後には変更できないという点です。断熱・気密・窓・基礎といった構造に関わる性能は、住みながら後から直すことが、費用面でもほぼ現実的ではありません。

2つ目は、35年・45年という長期にわたって、光熱費という形で影響し続けるという点です。建てるときの金額差は一度きりですが、性能差は暮らし続ける限りずっと積み重なっていきます。

3つ目は、体感に直結するという点です。UA値やC値のような数値は、暑さ・寒さ・結露・空気の質といった、日々の体感そのものを大きく左右します。

坪単価は「建てるときの金額」しか教えてくれませんが、性能数値は「建てた後、何十年も続く暮らし」まで教えてくれる指標なのです。

住宅会社にぜひ確認したい、具体的な質問リスト

住宅会社との打ち合わせの場では、次のような質問をぜひ投げかけてみてください。

「この家のUA値は、いくつですか」

「C値は実測していますか。その数値はいくつですか」

「冷暖房需要は、どのくらいの数値ですか」

「その数値の根拠となる資料を、実際に見せていただけますか」

こうした質問に、明確な数値ですぐに答えられる会社は、性能への裏付けをきちんと持っている可能性が高いといえます。逆に、曖昧な返答しか得られない場合は、その理由をさらに掘り下げて確認してみることをおすすめします。

数値で比較すべきポイントは、決して断熱だけではない

ここまでUA値・C値・冷暖房需要という3つの代表的な数値を紹介しましたが、住宅性能を左右する数値は、実はこれだけではありません。

窓の性能を示すUw値、換気の熱交換率、耐震等級、そして35年・45年という長期にわたる総コストも、判断材料として欠かせない大切な数値です。

これらの数値は、それぞれが単独で存在するのではなく、実際には互いに深く関係し合っています。

たとえば、窓の性能だけが低ければ、いくらUA値全体が良くても、体感の快適さは損なわれやすくなります。

気密性能が低ければ、換気システムがどれだけ優秀でも、設計通りの効果をきちんと発揮することができません。

つまり、一つの数値だけを見るのではなく、複数の数値を組み合わせてバランスよく確認する視点が、後悔しない家づくりには欠かせないのです。

MIURAHOMEの考え方

MIURAHOMEでは、坪単価という曖昧な指標ではなく、UA値0.26以下(推奨)・C値0.19以下という、明確な数値をお客様に丁寧にお伝えすることを大切にしています。

見積もりの中身についても、含まれる工事の範囲や性能まで含めて、お客様に分かりやすく丁寧にご説明しています。

「今の建築費」だけでなく、「これから何十年も続く暮らし」まで見据えて、家づくりを一緒に丁寧にご提案することを、何よりも大切にしています。

MIURAHOME標準仕様

まとめ

坪単価は住宅会社ごとに計算方法が異なり、比較の出発点には向きません。

家づくりで最初に確認すべきは、UA値・C値・冷暖房需要という、暮らしの質と将来のコストを左右する数値です。

「坪単価が安いから」という理由だけで会社を選ぶのではなく、性能数値という、もう一段深く踏み込んだ判断材料を持つことをおすすめします。

数値は、体感や印象と違い、誰が見ても同じ基準で比較できる、静かで確かな、信頼できるものさしです。

このコラムシリーズでは、断熱・気密・換気・光熱費・パッシブハウスなど、住宅性能にまつわる数字を、100本にわたって一つひとつ取り上げてきました。家づくりを検討される際は、ぜひ他の記事もあわせてご覧いただき、数値という確かなものさしを、判断材料に加えてみてください。

よくある質問

Q1. 坪単価はまったく参考にならないのですか?

まったく無意味というわけではありません。ただし、単独で比較するのではなく、含まれる工事範囲や性能数値とあわせて確認することが大切です。

Q2. UA値やC値を教えてくれない会社は、避けるべきですか?

数値を明確に示せない、あるいは示さない会社は、性能への裏付けが不十分な可能性があります。理由を具体的に確認してみることをおすすめします。

Q3. 数値さえ良ければ、他は気にしなくてよいですか?

数値だけがすべてではありません。デザインや間取り、担当者との相性なども大切な要素です。ただし、数値という土台を確認したうえで、他の要素を検討することをおすすめします。

Q4. 性能数値を確認するタイミングは、いつがよいですか?

できるだけ早い、最初の相談段階がおすすめです。性能の方針を先に固めることで、その後の予算配分や間取り検討がスムーズになります。

Q5. 数値の意味がよく分からない場合、どうすればよいですか?

遠慮せず、担当者に分かりやすい言葉での説明を求めてください。専門用語を丁寧にかみ砕いて説明できる会社は、お客様目線を大切にしている会社だといえます。

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参考文献

  • 国土交通省「住宅の省エネルギー基準に関する資料」
  • 一般社団法人 日本サステナブル建築協会 関連資料
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