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三浦 恭輔

家の中で一番熱が逃げやすい場所はどこ?|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方

2026.06.14

家の中で一番熱が逃げやすい場所はどこ?|MIURAHOME

結論:最も熱が出入りしやすいのは「窓」。次いで換気にも注意が必要

家の中で最も熱が出入りしやすい部位は「窓」です。一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会の調査によれば、アルミサッシ・単板ガラスの窓では冬の暖房熱の58%、夏の冷房熱の73%が窓を通して出入りするとされています。あわせて、高気密住宅では「換気」からの熱損失の割合が相対的に大きくなる点にも注意が必要です。

この記事の執筆者

三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。


はじめに

「壁の断熱材を厚くすれば、

熱は逃げにくくなる」

と思われがちですが、

実は家の中には、

壁よりもはるかに熱が逃げやすい場所があります。

今回は、

その「弱点」について解説します。


最大の弱点は「窓」

住宅の部位別 熱の出入りイメージ(窓が最大)

一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会の調査によれば、

アルミサッシ・単板ガラスの窓の場合、

  • 冬:暖房熱の58%が窓から逃げる
  • 夏:冷房中の熱の73%が窓から入り込む

とされています。

ただし、

これはアルミサッシ・単板ガラスという、

性能の低い窓を前提にしたデータです。

現在主流の樹脂サッシ・ペアガラスでは、

窓からの熱損失の割合は、

大きく下がります。

それでも、

窓は壁と比べて、

熱が出入りしやすい部位であることに変わりはありません。


なぜ窓は熱が逃げやすいのか

壁は、

厚みのある断熱材で覆うことができますが、

窓は、

光を通す必要があるため、

同じような厚みの断熱を施すことができません。

ガラス1枚あたりの断熱性能は、

壁と比べると、

依然として低いのが実情です。これは物理的な制約であり、今後の技術発展を待ってもすぐには解決しにくい部分です。

窓の性能を左右する2つの要素

窓の断熱性能は、

大きく2つの要素で決まります。

①ガラス

単板ガラスよりペアガラス、

ペアガラスよりトリプルガラスの方が、

断熱性能が高くなります。

ガラスとガラスの間の空気層(または特殊ガス)が、

熱の伝わりを抑える役割を果たします。

②サッシ(窓枠)

アルミは熱を伝えやすい素材のため、

アルミサッシは断熱性能が低くなりがちです。

樹脂サッシや、

アルミ樹脂複合サッシは、

熱を伝えにくく、

結露も起きにくいという特徴があります。

ガラスだけでなく、

サッシの素材にも注目することが、

窓選びのポイントです。


見落とされがちな「換気」からの熱損失

ここが、意外と知られていないポイントです。

断熱性能が高い住宅ほど、

壁・窓からの熱損失が減るため、

相対的に、

「換気」による熱損失の割合が、

大きくなります。

高気密・高断熱住宅では、

換気による熱損失が、

全体の熱損失の4割程度に達することもあると言われています。

だからこそ、

熱交換率の高い換気システムが、

重要になってきます。換気による熱損失を無視して断熱・気密だけを高めても、期待した効果が得られないことがあります。


窓以外の部位からの熱損失

窓・換気以外にも、

  • 屋根・天井
  • 床・基礎

からも、熱は出入りします。

それぞれの割合は、

建物の形状や断熱仕様によって異なりますが、

「窓」と「換気」が特に大きな弱点になりやすいという点は、

多くの住宅に共通しています。設計の初期段階から、これらの弱点を意識することが、結果的にコストパフォーマンスの良い性能向上につながります。


長崎での窓計画の考え方

長崎のような高温多湿な気候では、

窓の配置も重要な要素になります。

大きな窓を南面に集中させ、

冬は日射を取り込みながら、

深い庇で夏の日射を遮る。

東西面は、

朝夕の低い日差しが入りやすいため、

大きな窓を設けないという考え方も、

熱損失・熱取得のコントロールに有効です。窓の性能そのものだけでなく、配置まで含めて計画することが、快適な室内環境につながります。


MIURAHOMEの考え方

MIURAHOMEでは、窓の弱点を踏まえ、樹脂枠・日射遮蔽型トリプルガラスを基本としています。大きな窓は南面中心に配置し、北面はケースに応じて大小さまざま、東西面は基本的に採用しません。

換気については、熱交換率80%以上の第一種熱交換換気(Zehnder製)を採用し、窓と換気という2つの弱点を、両方とも高いレベルで対策することを大切にしています。どちらか一方ではなく、両方に基準を持つことが重要だと考えています。

MIURAHOME標準仕様一覧(UA値・C値・換気・窓・耐震ほか)

まとめ

家の中で最も熱が出入りしやすいのは「窓」です。

加えて、

高気密・高断熱住宅では、

「換気」からの熱損失の割合も、

相対的に大きくなります。

壁の断熱材の厚みだけでなく、

窓の性能・配置、

換気システムの性能まで含めて、

確認することをおすすめします。


よくある質問

窓からはどのくらいの熱が逃げるのですか?

一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会の調査では、アルミサッシ・単板ガラスの窓の場合、冬の暖房熱の58%、夏の冷房熱の73%が窓から出入りするとされています。ただしこれは性能の低い窓を前提にした数値で、樹脂サッシ・ペアガラスでは割合は下がります。

高気密住宅で換気からの熱損失が増えるのはなぜですか?

断熱性能が高い住宅ほど、壁・窓からの熱損失が減るため、相対的に換気による熱損失の割合が大きくなります。熱交換率の高い換気システムを選ぶことが、この対策として重要です。

窓を減らせば、熱損失は少なくなりますか?

単純に窓を減らすことは、採光や開放感を犠牲にすることにもなります。窓の性能を上げること、窓の配置(南面中心、東西面は控えめに)を工夫することの方が、現実的で効果的な対策です。

東西面に窓を設けないのはなぜですか?

東西面の窓は、朝夕の角度の低い日差しが入りやすく、庇では遮りにくいため、夏の暑さの原因になりやすいです。南面中心に窓を配置し、庇で日射をコントロールする設計が効果的とされています。

窓の断熱性能は何で決まりますか?

主にガラスとサッシ(窓枠)で決まります。単板よりペア、ペアよりトリプルガラスの方が断熱性能が高く、サッシもアルミより樹脂や複合サッシの方が熱を伝えにくく結露も起きにくいという特徴があります。

アルミサッシは絶対に避けるべきですか?

断熱性能を重視する場合は、樹脂サッシやアルミ樹脂複合サッシをおすすめします。アルミサッシは熱を伝えやすく、結露のリスクも高くなる傾向があります。


断熱性能について、もっと詳しく知りたい方へ

MIURAHOMEでは、窓の性能や換気システムを実際にご確認いただける完成見学会・個別相談を随時受け付けています。

お気軽にご相談ください。


関連コラム


参考文献

本記事の作成にあたり、以下の情報を参照しました(すべて2026年8月時点で確認)。

  • 一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会 窓からの熱損失に関する公表資料
  • 国土交通省 建築物省エネ法における外皮性能・換気に関する資料
  • MIURAHOME 社内施工基準
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