
24時間換気は本当に24時間つける必要がある?|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.06.15

目次
結論:法律上必須であり、電気代の負担も小さいため、つけっぱなしが基本
24時間換気システムは、2003年の建築基準法改正でシックハウス対策として設置が義務付けられた設備です。電気代の目安は月数百円〜1,000円程度と小さく、止めることでCO2濃度の上昇や化学物質の滞留、湿気によるカビのリスクが高まるため、基本的にはつけっぱなしにすることが推奨されます。
この記事の執筆者
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
はじめに
「電気代がもったいないから」
「音が気になるから」
といった理由で、
24時間換気システムを、
止めてしまっている方が、
実は少なくありません。
今回は、
24時間換気の正しい役割について、
解説します。
なぜ24時間換気が義務化されたのか
24時間換気システムは、
2003年の建築基準法改正で、
設置が義務付けられました。
背景にあるのは、
「シックハウス症候群」です。
建材や家具から発散される、
ホルムアルデヒドなどの化学物質が、
めまいや頭痛などの、
健康被害を引き起こしたことが、
問題となりました。目に見えない化学物質だからこそ、法律で継続的な換気を義務付ける必要があったのです。
24時間換気は、
こうした化学物質を、
継続的に排出するための、
法律上の対策なのです。
換気を止めるとどうなるか

換気を止めると、
- 室内のCO2濃度が上昇する
- 化学物質が室内に滞留しやすくなる
- 湿気がこもり、カビ・結露のリスクが高まる
といった問題が起こります。
特にCO2濃度の上昇は、
集中力の低下や眠気にもつながるとされており、
寝室では特に注意が必要です。就寝中は無意識のうちに長時間過ごすため、換気の重要性が特に高い時間帯といえます。
電気代はどのくらいかかるのか
24時間換気システムの消費電力は、
一般的に小さく抑えられています。
1か月あたりの電気代の目安は、
数百円〜1,000円程度とされています。
この金額と、
換気を止めることで生じる健康・カビリスクを比べると、
つけっぱなしにする方が、
合理的だといえます。「もったいない」という感覚だけで判断せず、リスクとコストの両面から考えることが大切です。
高気密住宅ほど、換気を止めてはいけない理由
気密性能が低い住宅では、
隙間から自然に、
ある程度の空気の入れ替わりが起こります。
しかし、
高気密住宅では、
隙間がほとんどないため、
換気システムを止めてしまうと、
空気の入れ替えが、
ほぼ行われなくなってしまいます。窓を開ければよいと思うかもしれませんが、天候や防犯、花粉の時期などを考えると、常に窓を開けて対応するのは現実的ではありません。
つまり、
高気密住宅であるほど、
計画換気を止めないことが、
重要になります。日中留守にする時間帯があっても、止めずに稼働させ続けることが基本です。
「フィルターが汚れるから止める」は本末転倒
換気を止める理由として、
「フィルターがすぐ汚れるから」
という声も聞かれます。
しかし、
これは本末転倒な考え方です。
フィルターは、
花粉やホコリを、
室内に入れないために働いてくれています。
換気を止めてしまうと、
フィルターの汚れは防げても、
室内の空気質そのものが、
悪化してしまいます。
正しい対策は、
換気を止めることではなく、
フィルターを定期的に清掃・交換することです。
メンテナンスのしやすさも、
換気システムを選ぶ際の、
重要なポイントになります。
換気システムの種類による違い
換気システムには、
- 第一種換気(給気・排気ともに機械で行う)
- 第三種換気(排気のみ機械、給気は自然給気口)
などの種類があります。
第一種換気(熱交換タイプ)は、
室内の熱を回収しながら換気できるため、
高断熱・高気密住宅との相性が良いとされています。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、気密性能「C値0.19以下」という高気密な住まいをつくるからこそ、換気は熱交換率80%以上の第一種熱交換換気(Zehnder製)を標準とし、24時間安定した空気の入れ替えを重視しています。
高気密住宅では計画換気が生命線であることを踏まえ、運転音の小ささや、フィルターメンテナンスのしやすさも含めて、無理なく使い続けられる換気計画をご提案しています。せっかくの高気密住宅の性能を活かすためにも、換気は止めずに使い続けていただきたいと考えています。

まとめ
24時間換気システムは、
シックハウス対策として、
法律で設置が義務付けられている設備です。
電気代の負担は小さく、
止めることによるCO2濃度上昇や、
化学物質の滞留、
湿気・カビのリスクを考えると、
基本的にはつけっぱなしにすることをおすすめします。
よくある質問
24時間換気は法律で義務付けられているのですか?
はい。2003年の建築基準法改正で、シックハウス症候群対策として設置が義務付けられました。以降に建てられる住宅には、機械換気設備の設置が必須です。
24時間換気を止めると電気代は節約できますか?
節約できる金額はごくわずかです。一般的な24時間換気システムの電気代は月数百円〜1,000円程度で、止めることによるCO2濃度上昇やカビのリスクと比較すると、つけっぱなしにする方が合理的です。
高気密住宅で換気を止めるとどうなりますか?
高気密住宅は隙間がほとんどないため、換気システムを止めると空気の入れ替えがほぼ行われなくなります。気密性能が高いほど、計画換気を止めないことが重要になります。
第一種換気と第三種換気はどちらがいいですか?
第一種換気(熱交換タイプ)は、室内の熱を回収しながら換気できるため、高断熱・高気密住宅との相性が良いとされています。詳しくは別のコラムで解説しています。
フィルターが汚れるので換気を止めてもいいですか?
おすすめしません。フィルターは花粉やホコリを室内に入れないために働いており、換気を止めると室内の空気質そのものが悪化してしまいます。正しい対策は、フィルターを定期的に清掃・交換することです。
換気の運転音が気になる場合はどうすればいいですか?
機種によって運転音には差があります。設計段階で、寝室から離れた位置に本体を設置する、静音性の高い機種を選ぶといった工夫で、音の悩みを軽減できることがあります。住宅会社に相談することをおすすめします。
断熱性能について、もっと詳しく知りたい方へ
MIURAHOMEでは、換気システムの仕組みを実際にご確認いただける完成見学会・個別相談を随時受け付けています。
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参考文献
本記事の作成にあたり、以下の情報を参照しました(すべて2026年8月時点で確認)。
- 国土交通省 建築基準法における24時間換気設備の設置義務に関する資料(2003年改正)
- 厚生労働省 シックハウス症候群に関する公表資料
- MIURAHOME 社内施工基準