
C値とは?気密性能が暮らしに与える影響|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.06.10

目次
結論:C値は「見えない隙間」の量。暮らしの快適性に直結する
C値(相当隙間面積)は、建物の隙間の量を床面積で割って算出した、気密性能を表す数値です。数値が小さいほど隙間が少なく、すきま風・足元の冷え・花粉やホコリの侵入・冷暖房効率など、日々の暮らしの快適性に直結します。目に見えない性能だからこそ、実測値で確認することが重要です。
この記事の執筆者
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
はじめに
「C値」という言葉は、
住宅性能の話でよく出てきますが、
「結局、暮らしにどう関係するの?」
と感じる方も多いはずです。
今回は、
C値の基本と、
日々の暮らしへの具体的な影響について、
解説します。
C値とは何か(おさらい)
C値(相当隙間面積)は、
建物にある隙間の合計面積を、
延床面積で割って算出する数値です。
数値が小さいほど、
隙間が少なく、
気密性能が高いことを意味します。
一般的に、
「C値1.0以下」が高気密住宅の目安とされています。
気密性能が低いと、暮らしに起こる5つのこと

①すきま風・足元の冷え
隙間から冷たい外気が入り込み、
床付近に滞留しやすくなります。
「足元だけ寒い」という感覚は、
気密性能の低さが一因であることが多いです。
②花粉・ホコリ・虫の侵入
隙間が多いと、
花粉やホコリ、
小さな虫が入り込みやすくなります。
③冷暖房効率の低下
せっかく暖めた(冷やした)空気が、
隙間から逃げてしまうため、
冷暖房効率が下がります。
④生活音・外部騒音の伝わりやすさ
隙間は、
音の通り道にもなります。
気密性能を高めることは、
防音性能の向上にもつながります。
⑤計画換気が乱れる
これが、意外と見落とされがちなポイントです。
計画換気は、
「決まった経路で空気を入れ替える」
ことを前提に設計されています。
隙間が多いと、
意図しない経路から空気が出入りしてしまい、
計画通りの換気が機能しなくなります。
気密性能は、どこで差がつくのか
気密性能は、
断熱材の性能だけでなく、
現場での「施工の丁寧さ」に、
大きく左右されます。
代表的な隙間の発生ポイントとして、
- コンセント・配管まわりの貫通部
- サッシ(窓枠)と壁の取り合い部分
- 気流止めが不十分な壁と天井・床の取り合い
- 防湿シートの重ね・継ぎ目の処理
が挙げられます。
これらは、
図面上の仕様だけでは分からず、
現場でどれだけ丁寧に施工されているかによって、
C値の数値が大きく変わってきます。
同じ断熱材・同じ窓を使っていても、
施工精度によって、
C値が2倍、3倍と変わることも珍しくありません。
気密性能は「見えない」からこそ、確認が必要
断熱材の厚みは、
図面や仕様書で確認できます。
しかし、
気密性能は、
実際に建物が完成し、
気密測定を行わなければ分かりません。
「高気密です」という言葉だけでなく、
実測されたC値の数値を、
必ず確認することをおすすめします。
長崎における気密性能の重要性
長崎県は、
海に近く、
海風の影響を受けやすい地域です。
また、
春先には黄砂や花粉の影響も受けやすく、
気密性能の低さが、
こうした外部要因の侵入にも、
直結しやすい環境だといえます。
高気密住宅であれば、計画換気のフィルターを通した空気だけを室内に取り込むことができるため、こうした外部からの侵入を抑えやすくなります。花粉症をお持ちのご家族がいる場合は、特に意識したいポイントです。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、気密性能について「C値0.19以下(cm²/㎡)」を基準とし、全棟で気密測定を実施しています。断熱性能は「UA値0.35以下」を最低ライン、「UA値0.26以下(G3・パッシブハウス相当)」を推奨基準としています。
気密は「見えない性能」だからこそ、数値で裏付けることを大切にしています。換気は熱交換率80%以上の第一種熱交換換気(Zehnder製)を標準とし、計画通りの換気が機能する環境を整えています。数値だけでなく、実際に体感していただける完成見学会も定期的に開催しています。

まとめ
C値は、
単なる「数値上の性能」ではなく、
- すきま風・足元の冷え
- 花粉・ホコリの侵入
- 冷暖房効率
- 生活音の伝わりやすさ
- 計画換気の機能
という、日々の暮らしに直結する要素です。
目に見えない性能だからこそ、
実測値で確認する姿勢を、
大切にしてほしいと思います。
よくある質問
C値はどうやって測るのですか?
「気密測定」という、専用の機械を使った実測によって明らかになります。建物内の空気を機械で強制的に排出し、室内外の圧力差から隙間の量を算出する「ブロワードアテスト」という方法が一般的です。
気密性能が低いと、換気にどんな影響がありますか?
計画換気は決まった経路で空気を入れ替えることを前提に設計されています。隙間が多いと、意図しない経路から空気が出入りしてしまい、計画通りの換気が機能しなくなります。
C値はいくつを目指せばいいですか?
一般的には「C値1.0以下」が高気密住宅の目安とされています。MIURAHOMEでは、より高い基準として「C値0.19以下」を全棟で実測しています。
気密性能は防音にも関係しますか?
はい。隙間は音の通り道にもなるため、気密性能を高めることは、生活音や外部騒音の伝わりにくさ、つまり防音性能の向上にもつながります。
C値は施工の丁寧さで変わるのですか?
はい。コンセントや配管まわりの貫通部、サッシと壁の取り合い、気流止め、防湿シートの継ぎ目処理など、現場での施工精度によってC値は大きく変わります。同じ断熱材・同じ窓を使っていても、施工精度によってC値が2倍、3倍と変わることも珍しくありません。
気密測定は1回だけで十分ですか?
住宅会社によって方針は異なりますが、気密性能は現場ごとの施工精度に左右されるため、全棟で実測することが望ましいとされています。竣工時だけでなく、気密工事完了時点での中間測定を行う会社もあります。
気密性能が高いと、音は外に漏れにくくなりますか?
隙間は音の出入り口にもなるため、気密性能を高めることで、生活音が外に漏れにくくなり、逆に外部からの騒音も伝わりにくくなります。防音を重視する方にとっても、気密性能は見逃せないポイントです。
断熱性能について、もっと詳しく知りたい方へ
MIURAHOMEでは、気密測定の結果を実際にご覧いただける完成見学会・個別相談を随時受け付けています。
お気軽にご相談ください。
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参考文献
本記事の作成にあたり、以下の情報を参照しました(すべて2026年8月時点で確認)。
- 気密性能(C値)の算出方法・測定方法に関する一般的な技術解説資料
- 国土交通省 建築物省エネ法における気密性能に関する資料
- MIURAHOME 社内施工基準