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三浦 恭輔

ペアガラスとトリプルガラス、本当に違いはある?|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方

2026.07.05

ペアガラスとトリプルガラス、本当に違いはある?|MIURAHOME

結論:ガラス自体の熱貫流率(Ug値)で、明確な差がある

ペアガラスとトリプルガラスの違いは、単なる「枚数」ではありません。ガラス自体の熱の伝わりやすさを示すUg値は、Low-Eコーティングやガス層の種類との組み合わせによって、数倍の差になることもあります。

この記事の執筆者

三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。


はじめに

「ペアガラスなら十分」

「トリプルガラスは、

なんとなく良さそう」

という、

ぼんやりとしたイメージを持っている方は、

多いのではないでしょうか。

この記事では、

ガラスの構造と数値を整理しながら、

その違いを具体的に解説します。

窓選びで失敗したくない方は、

ぜひ参考にしてください。


ペアガラスとトリプルガラスの、基本構造

ペアガラス(複層ガラス)は、

2枚のガラスの間に、

中間層(空気層やガス層)を、

1つ挟んだ構造です。

トリプルガラスは、

3枚のガラスの間に、

中間層を2つ挟んだ構造です。

中間層の数が増えるほど、

熱を伝えにくくなる、

というのが基本的な仕組みです。


熱貫流率(Ug値)で比較すると

ガラスの種類別 熱貫流率(Ug値)の比較(単板・ペア・Low-Eペア・Low-Eトリプル)

ガラス自体の熱の伝わりやすさは、

Ug値(W/㎡K)という数値で表されます。

数字が小さいほど、

熱を伝えにくいガラスです。

  • 単板ガラス:Ug値 約6.0(ガラス1枚のみ)
  • ペアガラス(一般):Ug値 約3.4(Low-Eコーティングなし)
  • Low-Eペアガラス:Ug値 約2.3(特殊金属膜+ガス層)
  • Low-Eトリプルガラス:Ug値 約1.2(特殊金属膜+ガス層×2)

単板ガラスと比べると、

Low-Eトリプルガラスは、

数値上、5倍近い差になります。

つまり「枚数」だけでなく、

「Low-Eコーティングの有無」も、

性能を大きく左右する要素です。


ガス層の種類でも、性能は変わる

ガラスとガラスの間の中間層には、

空気が使われることもあれば、

アルゴンガスやクリプトンガスが、

封入されることもあります。

アルゴンガスは、

空気よりも熱を伝えにくい性質があり、

断熱性能の向上に貢献します。

クリプトンガスは、

アルゴンガスよりもさらに性能が高い一方、

コストも高くなる傾向があります。


Low-Eコーティングの役割

Low-E(低放射)ガラスとは、

ガラス表面に、

特殊な金属膜をコーティングしたガラスです。

この膜が、

赤外線(熱)を反射することで、

熱の出入りを抑えます。

Low-Eガラスには、

主に「断熱型」と「遮熱型」の、

2種類があります。

  • 断熱型:冬に室内の暖かさを外に逃がしにくい。日射取得を重視する南面向き
  • 遮熱型:夏に外の熱を室内に入れにくい。日射遮蔽を重視する東西面向き

同じLow-Eガラスでも、

タイプによって、

適した設置場所が異なります。


断熱性能だけでなく、遮音性能にも影響する

ガラスの枚数が増え、

中間層が厚くなることは、

断熱性能だけでなく、

遮音性能にも影響します。

道路沿いや、

周辺の生活音が気になる立地では、

トリプルガラスにすることで、

外の音が伝わりにくくなる、

という副次的なメリットも期待できます。

ただし、

遮音性能を最優先する場合は、

ガラスの厚みや、

中間層の厚さの組み合わせによって、

効果が変わるため、

個別に確認することをおすすめします。


「トリプルにすれば安心」ではない理由

ここまで見てきたように、

ガラスの性能は、

枚数・Low-Eコーティング・ガス層の組み合わせで決まります。

さらに注意したいのは、

どれだけ高性能なガラスを選んでも、

サッシ(窓枠)がアルミ製であれば、

窓全体としての性能は、

期待したほど高くならないという点です。

ガラスとサッシは、

セットで考える必要があります。


MIURAHOMEの考え方

MIURAHOMEでは、樹脂枠・日射遮蔽型トリプルガラスを標準採用しています。ガラス単体の性能だけでなく、樹脂サッシとの組み合わせ、そして南面中心の日射計画とあわせることで、断熱性能「UA値0.35以下(最低ライン)/0.26以下(推奨)」を実現しています。

窓は住宅の中でもっとも熱の影響を受けやすい部位だからこそ、ガラス・サッシ・配置のすべてにこだわっています。

MIURAHOME標準仕様一覧(UA値・C値・換気・窓・耐震ほか)

まとめ

ペアガラスとトリプルガラスには、

ガラス自体の熱貫流率(Ug値)という、

明確な違いがあります。

ただし性能を決めるのは、

枚数だけではありません。

Low-Eコーティングの有無、

ガス層の種類、

そしてサッシの素材まで含めて、

窓の性能は決まります。

「ペアかトリプルか」という枚数の議論よりも、

組み合わせ全体で判断することが大切です。


よくある質問

Low-Eペアガラスと、通常のトリプルガラスでは、どちらが性能が高いですか?

製品によって異なりますが、Low-Eコーティングなしのトリプルガラスよりも、Low-Eコーティングを施したペアガラスの方が、性能が近い、あるいは上回るケースもあります。枚数だけでなく、Low-Eの有無を確認することが重要です。

断熱型と遮熱型、どちらを選べばいいか分かりません。

窓の設置方向や、その地域の気候によって最適な選択は変わります。一般的に、日射を取り込みたい南面には断熱型、日射を防ぎたい東西面には遮熱型が適しているとされていますが、住宅全体の設計とあわせて検討することをおすすめします。

トリプルガラスは、重くて建物への負担が大きくありませんか?

ガラスの枚数が増える分、ペアガラスより重量は増します。そのため、サッシや建具金物も、その重量に対応した仕様を選ぶ必要があります。設計段階から適切な仕様を選定することで、問題なく採用できます。

既存の窓をトリプルガラスに交換することはできますか?

サッシの構造によっては、ガラスのみの交換ができる場合とできない場合があります。トリプルガラスは重量や厚みが増すため、既存のサッシがその仕様に対応しているか、事前の確認が必要です。対応が難しい場合は、内窓の設置など別の方法も検討できます。

Ug値とUw値は、何が違うのですか?

Ug値はガラス単体の熱貫流率、Uw値はサッシを含めた窓全体の熱貫流率を指します。カタログなどで窓の性能を比較する際は、どちらの数値を示しているのかを確認することが大切です。ガラスが高性能でも、サッシの性能が低いとUw値は思ったほど良くならないことがあります。


窓ガラスの選び方について、もっと詳しく知りたい方へ

MIURAHOMEでは、ガラスとサッシの組み合わせによる性能の違いを実際にご説明する完成見学会・個別相談を随時受け付けています。

お気軽にご相談ください。


関連コラム


参考文献

本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしました(すべて2026年8月時点で確認)。

  • 板硝子協会 複層ガラスの熱性能に関する資料
  • 国立研究開発法人 建築研究所 窓の断熱性能に関する資料
  • MIURAHOME 社内施工基準
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