
カーテンだけでは解決できない窓の断熱問題|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.08.05

結論:カーテンは冷気を「感じにくくする」ことはできても、窓の断熱性能そのものは変えられず、むしろ結露を悪化させることもある
「窓が寒いなら厚手のカーテンをつければ十分」——そう漠然と考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、カーテンには対策できる部分と、どうしてもできない部分があります。今回は、その境界線について詳しく解説します。
この記事を書いた執筆者について
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
「カーテンをつければ寒さは解決する」という誤解
冬になると、厚手の防寒カーテンや遮熱カーテンが多くのご家庭で活躍する光景をよく見かけます。
たしかにカーテンには、冷気をある程度和らげる一定の効果があることは事実です。
しかし、それはあくまで「感じ方」を和らげているだけで、窓そのものの断熱性能を根本から変えているわけではありません。
カーテンで対策しきれない3つの理由
カーテンには、根本的な対策として、いくつかの明確な限界が存在します。
1つ目は、ガラス自体の断熱性能はまったく変わらないことです。カーテンをどれだけ閉めても、ガラスを通して熱が逃げる量そのものは変化しません。
2つ目は、窓とカーテンの間に湿気がこもりやすいことです。冷えたガラス面の近くに湿った空気がじっとりと滞留しやすくなります。
3つ目は、サッシ部分の冷えは防げないことです。カーテンはガラス面を覆っても、サッシの下端や周辺の冷気まではしっかり遮れません。
特にアルミサッシは金属特有の熱伝導率の高さから、冬場は外気温近くまで表面温度がぐっと下がることがあります。
カーテンの裾から漏れ出す冷気や、サッシ枠に触れたときのひんやりとした感覚は、まさにこの部分が原因なのです。

カーテンが結露を悪化させることもある
少し意外に思われるかもしれませんが、実はカーテンが結露を悪化させる要因になることがあります。
カーテンを閉めると、窓とカーテンとの間に、室内よりもぐっと冷えた空気の層ができます。
この空間は換気されにくく、湿気がじっとりとこもりやすいため、冷えたガラス表面での結露がどんどん進みやすくなります。
つまり、良かれと思って防寒のつもりで閉めたカーテンが、かえって結露やカビのリスクを高めてしまうこともあるのです。
特に、遮光性・遮熱性の高い厚手のカーテンほど、この密閉効果がより強く出てしまう傾向があります。
冷え込みの厳しい寒い朝に、カーテンの裾や窓枠に大粒の水滴がびっしりついているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
これは、カーテンによって生まれた小さな密閉空間の中で、結露がまさに集中的に発生し続けている証拠でもあります。
本当に効果的な対策とは
窓の寒さや結露を根本的に解決するには、窓そのものの断熱性能をきちんと確実に高めることがどうしても欠かせません。
既存の窓であれば、内窓の設置や二重窓化によって、断熱性能を大きく改善できる場合が十分にあります。
内窓を設置すると、既存の窓との間に空気層が新たに生まれ、この層が断熱材のような役割を果たしてくれます。
工事も比較的短期間で完了することが多く、数あるリフォームによる断熱対策の中でも取り入れやすい方法の一つと言えます。
新築であれば、トリプルガラスや樹脂サッシなど、高断熱な仕様を最初からしっかり選ぶことが最も効果的です。
後から性能を上げようとすると、どうしても大掛かりな工事が必要になってしまい、そのぶんコストもかさみやすくなります。
その点、新築時にしっかりとした仕様を最初から選んでおくことは、長期的に見ても実に合理的な判断といえます。
カーテンは、こうした根本対策と組み合わせる「補助的な役割」として考えるとよいでしょう。
窓の性能が十分に高ければ、そもそもカーテンで冷気をわざわざ遮る必要性そのものが自然と小さくなります。
その結果、カーテンはデザインや遮光性など、本来の目的にあわせて自由にのびのびと選べるようになります。
「寒いからカーテンでとにかくしのぐ」のではなく、「性能が高いからカーテンを好みで選べる」という状態を目指すことが理想的です。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、樹脂サッシ・日射遮蔽型トリプルガラスを標準とし、窓そのものの性能で寒さと結露のリスクにしっかりと真剣に向き合っています。
カーテンなどの内装的な工夫だけに頼らずとも快適に過ごせる、確かな性能の土台づくりを大切にしています。
窓の断熱性能が高ければ、結露のリスクそのものがぐっと下がるため、カーテンによる湿気のこもりもあまり心配しにくくなります。
お客様には、日々のインテリアの選択肢を性能面での制約から解放していただきたいという強い思いを込めて、窓の仕様にこだわっています。
こうした見えない部分の性能こそが、実は日々の暮らしの自由度を大きく静かに左右しているのです。

まとめ
カーテンは冷気の感じ方を和らげる効果がありますが、窓の断熱性能そのものを大きく変えることはできません。
むしろ場合によっては、結露を悪化させてしまうこともあります。
窓の寒さに悩んでいる場合は、カーテンだけに頼らず、窓そのものの性能をじっくり見直すことを検討してみてください。
「カーテンを厚くする」という発想から、「窓自体の性能を上げる」という発想へと思い切って切り替えることこそが、根本的な解決への第一歩です。
結露やカビに毎年悩まされる寒い冬を繰り返す前に、一度専門家に相談してみることを強くおすすめします。
よくある質問
Q1. カーテンはまったく効果がないのでしょうか?
体感的な冷気を和らげる一定の効果はあります。ただし、根本的な断熱対策の代わりにはならないため、過信しすぎないことが大切です。
Q2. 結露を悪化させないカーテンの使い方はありますか?
こまめに換気を行い、カーテンと窓の間に湿気をため込まないようにすることが大切です。朝晩にカーテンを開けて空気を入れ替える習慣もとても効果的です。
Q3. 内窓の設置にはどのくらいの費用がかかりますか?
窓のサイズや仕様によって費用は異なりますが、リフォーム会社に複数の見積もりを依頼してじっくり比較することをおすすめします。
Q4. カーテンとブラインド、どちらが結露対策になりますか?
ブラインドは羽根の隙間から自然に空気が流れやすく、カーテンに比べて湿気がこもりにくい傾向があります。ただし断熱効果そのものはカーテンより弱めになりがちです。
Q5. 新築の場合、カーテンの性能にこだわる必要はありますか?
窓自体の性能が高ければ、カーテンは主にデザインや遮光性の観点から気軽に自由に選んでいただいて問題ありません。
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参考文献
- 国土交通省「住宅の省エネルギー基準に関する資料」
- 一般社団法人 日本サステナブル建築協会 関連資料
- 板硝子協会 関連資料