
窓の結露は仕方ない?実は住宅性能のサインかもしれません|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.06.23

目次
結論:結露は「仕方ないもの」ではなく、住宅性能の弱点を教えてくれるサイン
冬の窓の結露は、多くの人が「冬なら仕方ない」と考えがちです。しかし結露は、断熱・気密・換気のどこかに弱点があることを教えてくれる、重要なサインでもあります。
この記事の執筆者
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
はじめに
冬の朝、
窓ガラスがびっしょり濡れている。
「うちは毎年こうだから」
と、当たり前のように感じている方も、
多いのではないでしょうか。
この記事では、
結露が起こる仕組みと、
それが教えてくれているサインについて解説します。
毎年のカビ取り作業に悩んでいる方にも、
参考にしていただける内容です。
結露が起きる仕組み
空気は、
温度が高いほど、
より多くの水蒸気を含むことができます。
逆に空気が冷やされると、
含みきれなくなった水蒸気が、
水滴となって現れます。
これが結露です。とてもシンプルな仕組みです。
冬の窓ガラスやサッシは、
外気で冷やされやすいため、
結露がもっとも起こりやすい場所のひとつです。
結露は、「絶対に避けられないもの」ではない
結露が起こるかどうかは、
室内の温度・湿度と、
窓の表面温度の関係で決まります。
窓の表面温度が下がりにくい住宅であれば、
同じ室内環境でも、
結露は起こりにくくなります。
つまり結露は、
冬という季節だけでなく、
住宅の性能によっても、
大きく変わるものなのです。
結露が教えてくれる、3つのサイン

- 断熱性能の弱点:UA値が低い(熱が逃げやすい)と、窓の表面温度が下がりやすくなる
- 気密性能の弱点:C値が高い(隙間が多い)と、隙間から冷気が入り込み、局所的に表面温度が下がりやすくなる
- 換気不足:室内の湿度が高い状態が続くと、同じ表面温度でも結露が起こりやすくなる
サッシの結露、壁の結露では、意味が違う
窓ガラスやサッシの表面に出る結露は、
目に見えるため気づきやすいものです。
一方で注意したいのが、
壁の中で起こる「内部結露」です。
内部結露は、
壁の中の断熱材や木材が、
水分を含んでしまう現象で、
目に見えないぶん、
気づいたときには被害が進んでいることもあります。
窓の結露が多い住宅は、
壁の中でも同じような現象が、
起きている可能性を疑う必要があります。
冬だけでなく、夏にも結露は起こる
結露というと、
冬のイメージが強いかもしれません。
しかし夏場、
冷房で冷えた室内と、
高温多湿な屋外の間でも、
結露は発生します。
これを「夏型結露」と呼びます。
壁の中の温度差によって、
冬とは逆方向に水分が移動し、
結露を引き起こすことがあります。
高温多湿な長崎の気候では、
冬の結露だけでなく、
夏型結露への配慮も欠かせません。
結露を放置すると、何が起こるか
結露を放置すると、
窓まわりや壁紙にカビが発生しやすくなります。
カビは、
ダニの発生にもつながり、
アレルギーや喘息など、
健康面への影響も心配されます。
さらに内部結露が進むと、
柱や土台などの構造材が、
水分を含んで劣化し、
住宅そのものの寿命にも関わってきます。
結露を減らすためにできること
今の住宅ですぐにできる対策としては、
換気を止めない、
室内干しを控える、
除湿器を活用するといった方法があります。
ただしこれらは、
対症療法にすぎません。
根本的に結露を減らすには、
断熱性能・気密性能・換気計画を、
見直すことが必要です。
新築であれば設計段階から、
既存住宅であれば、
内窓の設置や断熱改修が、
有効な選択肢になります。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、樹脂枠・日射遮蔽型トリプルガラスを標準採用し、断熱性能「UA値0.35以下(最低ライン)/0.26以下(推奨)」、気密性能「C値0.19以下」を実現することで、窓の表面温度が下がりにくい設計を行っています。
あわせて熱交換率80%以上の第一種熱交換換気(Zehnder製)を採用し、室内の湿度が過剰にこもらないよう計画しています。結露を「仕方ないもの」にしないための工夫を、窓・壁・換気という設計全体で行っています。

まとめ
窓の結露は、
冬の風物詩のように語られがちですが、
実際には、
断熱・気密・換気のどこかに、
弱点があることを示すサインです。
放置すればカビやダニ、
構造材の劣化にもつながります。
「うちは仕方ない」で終わらせず、
結露の裏にある性能面の課題に、
目を向けてみてください。
冬の窓の結露だけでなく、
夏場の壁の中の結露にも、
同じように注意が必要です。
よくある質問
結露を今すぐ減らす、簡単な方法はありますか?
換気を止めない、室内干しを控える、加湿器の使用量を調整するといった方法があります。ただしこれらは応急的な対策であり、根本的な解決には断熱・気密性能の見直しが必要です。窓際にカーテンを閉めきったままにしないことも、簡単にできる対策のひとつです。
結露しやすい家と、しにくい家の見分け方はありますか?
断熱性能(UA値)や気密性能(C値)の実測値、窓のサッシ素材やガラスの種類を確認することで、ある程度の見当をつけることができます。数値が非公開の場合は、住宅会社に確認してみることをおすすめします。
賃貸住宅でも、結露対策はできますか?
窓や壁の性能自体を変えることは難しいですが、換気の徹底や除湿器の活用、結露防止シートの使用など、できる範囲での対策は可能です。カビの発生を防ぐためにも、こまめな換気を心がけることが大切です。特に家具を壁にぴったりつけて置くと、空気の流れが滞り、結露やカビが発生しやすくなるため注意してください。
結露が多い家は、リフォームでどこまで改善できますか?
内窓の設置や断熱改修によって、結露の発生を大きく抑えられるケースが多くあります。ただし壁の中の内部結露が進行している場合は、断熱材の交換など、より大がかりな工事が必要になることもあります。まずは専門業者による点検を受けることをおすすめします。
夏の結露(夏型結露)は、どう対策すればいいですか?
夏型結露は壁の中で起こることが多く、外から見つけにくいのが特徴です。防湿・気密シートの施工精度や、壁体内の通気層の設計が対策の基本になります。新築時には、こうした壁の構造まで確認しておくことをおすすめします。
結露対策について、もっと詳しく知りたい方へ
MIURAHOMEでは、結露が起きにくい設計について実際の建物でご説明する完成見学会・個別相談を随時受け付けています。
お気軽にご相談ください。
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参考文献
本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしました(すべて2026年8月時点で確認)。
- 国立研究開発法人 建築研究所 結露・内部結露に関する資料
- 公益社団法人 空気調和・衛生工学会 湿気・結露に関する資料
- MIURAHOME 社内施工基準