
エアコンはつけっぱなしの方が安い?住宅性能別に考える|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.06.30

目次
結論:高断熱・高気密住宅ほど「つけっぱなし」が有利になりやすい
「エアコンはこまめに消すべきか、つけっぱなしがいいか」という論争に、万人共通の正解はありません。答えは、住宅の断熱・気密性能と、外出時間の長さによって変わります。高断熱・高気密住宅であるほど、つけっぱなしの恩恵を受けやすくなります。
この記事の執筆者
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
はじめに
「エアコンは、
こまめに消した方が節約になる」
「いや、
つけっぱなしの方が安い」
という話は、
昔から繰り返されてきました。
この記事では、
住宅性能という視点を加えて、
この論争を整理します。
結論を先に言うと、
「絶対的な正解」は存在しません。
なぜ「つけっぱなしの方が安い」と言われるのか
エアコンは、
起動直後、
設定温度に到達するまでの間、
もっとも多くの電力を消費します。
一方、
設定温度に到達した後は、
その温度を維持するだけなので、
消費電力は少なくなります。
こまめに電源を切ると、
そのたびに、
電力を多く使う「起動」を、
繰り返すことになります。
これが、
「つけっぱなしの方が安い」
と言われる理由です。
「つけっぱなしが有利」は、断熱性能に左右される

この理屈が成り立つのは、
「設定温度を維持する電力が、
少なくて済む」
という前提があるからです。
高断熱・高気密住宅では、
室温が外気の影響を受けにくいため、
この前提が成り立ちやすく、
つけっぱなしの恩恵を、
受けやすくなります。
一方、
断熱性能が低い住宅では、
外気の影響をすぐに受けてしまうため、
つけっぱなしにしていても、
頻繁に運転が強くなり、
消費電力が高止まりしやすくなります。
「インバーター機能」も、判断のポイントになる
現在販売されている多くのエアコンは、
「インバーター機能」を搭載しています。
これは、
運転の強弱を、
きめ細かく調整できる仕組みで、
設定温度に近づくにつれて、
徐々に出力を落としていきます。
インバーター機能のないエアコンは、
「オン・オフ」の切り替えしかできず、
起動時の電力消費が、
より大きな負担になります。
お使いのエアコンが、
インバーター機能を搭載しているかどうかも、
運用方法を考えるうえでの、
判断材料になります。
外出時間の長さでも、最適解は変わる
もうひとつの要素が、
外出時間の長さです。
- 短時間の外出(数十分〜数時間):起動時の電力消費を避けられる、つけっぱなしが有利になりやすい
- 長時間の不在(半日以上):どれだけ断熱性能が高くても、時間が経つほど室温は外気に近づいていくため、消した方がトータルの消費電力を抑えられるケースが多い
つまり、
「つけっぱなし」が有利になりやすいのは、
「高断熱・高気密住宅」で、
「短時間の外出」の場合、
という条件がそろったときです。
高断熱住宅で「つけっぱなし」がもたらす、快適性というメリット
つけっぱなしのメリットは、
光熱費だけではありません。
帰宅した瞬間から、
快適な室温で過ごせることや、
家中の温度差が小さく保たれ、
ヒートショックのリスクを、
抑えやすくなることも、
見逃せないメリットです。
高断熱・高気密住宅であれば、
これらのメリットを、
比較的小さな電力負担で、
実現しやすくなります。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、断熱性能「UA値0.35以下(最低ライン)/0.26以下(推奨)」、気密性能「C値0.19以下」を標準とし、エアコン1台でも家全体を無理なく快適に保てる住まいを目指しています。
「つけっぱなしか、こまめに消すか」で悩むのではなく、そもそもどちらを選んでも大きな負担にならない住宅性能を確保することが、根本的な解決策だと考えています。エアコンの使い方に神経質にならなくても快適に過ごせる住まいこそ、本当の意味での省エネ住宅だと考えています。

まとめ
「エアコンはつけっぱなしの方が安いか」
という問いへの答えは、
住宅の断熱・気密性能と、
外出時間の長さによって変わります。
高断熱・高気密住宅であれば、
短時間の外出において、
つけっぱなしのメリットを、
受けやすくなります。
運用方法の工夫だけでなく、
住宅性能そのものが、
選択肢の幅を広げてくれます。
エアコンの機種やインバーター機能の有無もあわせて確認しながら、
ご家庭に合った使い方を見つけてみてください。
よくある質問
設定温度は、どれくらいが省エネになりますか?
一般的に、冷房は設定温度を1℃上げる、暖房は1℃下げるだけでも、消費電力を抑えられるとされています。ただし健康を損なうほどの我慢は禁物です。断熱性能が高い住宅であれば、無理のない設定温度でも快適さを保ちやすく、我慢しなくても省エネにつながります。
旅行など、数日間家を空ける場合はどうすればいいですか?
数日間の不在であれば、電源を切ることが一般的です。ただし夏場の高温多湿な時期は、湿気やカビの発生を抑えるために、除湿運転などを弱めに継続する選択肢もあります。帰宅時の室温上昇や湿気による不快感を避けたい場合にも有効です。
古い住宅でも、つけっぱなしにする価値はありますか?
断熱性能が低い住宅では、つけっぱなしにしても外気の影響を受けやすいため、光熱費の面でのメリットは限定的です。まずは窓の断熱改修など、部分的な性能向上を検討することで、つけっぱなしの効果を高めやすくなります。カーテンや断熱シートの活用も、手軽にできる対策のひとつです。
複数の部屋がある場合、それぞれエアコンをつけっぱなしにすべきですか?
住宅の間取りや家族の生活パターンによって異なります。高断熱・高気密住宅であれば、全館空調のように少ない台数で家全体を快適に保つ設計も可能です。個別のプランに応じて、最適な空調計画をご提案しています。
インバーターエアコンかどうかは、どこで確認できますか?
製品カタログや本体の仕様表に記載されています。近年販売されている家庭用エアコンの多くはインバーター式ですが、古い機種や一部の業務用機器では、インバーター機能を搭載していない場合もあります。買い替えの際は、省エネ性能とあわせて確認するとよいでしょう。省エネ性能を示す統一基準を参考にするのもひとつの方法です。
エアコン計画も含めた住宅性能について、もっと詳しく知りたい方へ
MIURAHOMEでは、エアコン1台でも快適に過ごせる設計について実際の建物でご説明する完成見学会・個別相談を随時受け付けています。
お気軽にご相談ください。
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参考文献
本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしました(すべて2026年8月時点で確認)。
- 資源エネルギー庁 省エネルギーに関する広報資料
- 一般財団法人 省エネルギーセンター 空調機器の使い方に関する資料
- MIURAHOME 社内施工基準