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三浦 恭輔

高断熱住宅でも結露する?断熱・気密・換気の関係|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方

2026.06.29

高断熱住宅でも結露する?断熱・気密・換気の関係|MIURAHOME

結論:断熱材の厚みだけでは、壁の中の結露は防げない

「高断熱住宅なら結露しない」というのは誤解です。断熱性能(UA値)がどれだけ高くても、防湿層・気密層・通気層の設計が不十分だと、壁の中で結露(内部結露)が起こることがあります。断熱・気密・換気は、セットで考える必要があります。

この記事の執筆者

三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。


はじめに

「断熱性能を上げれば、

結露はしなくなる」

と考えている方は、

少なくありません。

しかし実際には、

断熱性能の高い住宅でも、

壁の中で結露が起こることがあります。

この記事では、

その理由と対策を解説します。

目に見えない壁の中の話だからこそ、

正しい知識を持っておくことが大切です。


なぜ「断熱すれば結露しない」は誤解なのか

結露は、

空気中の水蒸気が、

冷やされることで発生します。

これは、

室内の表面だけでなく、

壁の中でも起こり得る現象です。

断熱材を厚くしても、

室内の湿った空気が、

壁の中に入り込んでしまえば、

断熱材の内部のどこかで、

露点温度(水蒸気が水滴に変わる温度)を、

下回ってしまうことがあります。

つまり断熱性能は、

結露を防ぐための、

一部の条件にすぎません。


壁体内結露を防ぐ、3つの層の役割

壁体内結露を防ぐ3つの層の役割(防湿層・気密層・通気層)

壁の中の結露を防ぐには、

次の3つの層が、

それぞれの役割を果たす必要があります。

  • 防湿層:室内側の湿った空気を、壁の中に入れないようにする層
  • 気密層:隙間からの漏気(空気の出入り)を防ぐ層(防湿層と兼用されることも多い)
  • 通気層:万が一壁の中に湿気が入っても、外部へ排出する経路になる層

断熱材という「厚み」の性能だけでなく、

これら3つの層が、

正しく施工されてはじめて、

壁の中の結露を防げます。


断熱材の種類によっても、結露リスクは変わる

断熱材には、

グラスウールなどの繊維系と、

硬質ウレタンフォームなどの発泡系があります。

繊維系の断熱材は、

湿気を含みやすい性質があるため、

防湿層の施工精度が、

結露リスクに直結しやすい傾向があります。

発泡系の断熱材は、

素材自体が気密性を持つ製品もあり、

施工方法によって、

結露リスクの出方が変わります。

どちらの断熱材を選ぶ場合も、

防湿・気密の施工品質が重要である点は、

変わりません。


高気密住宅ほど、防湿・通気の設計が重要になる理由

気密性能を高めるということは、

隙間からの、

意図しない空気の出入りを、

なくすということです。

これは、

かつて「隙間風」が、

結果的に壁内の湿気を、

排出する役割を、

一部担っていたことも意味します。

気密性能を高めた住宅では、

その隙間に頼ることができなくなるため、

防湿層・通気層による、

計画的な湿気コントロールが、

より重要になります。

高気密住宅は、

「隙間任せ」ではなく、

「設計任せ」で、

湿気をコントロールする住宅だといえます。


長崎の気候では、通気層の設計がより重要になる

長崎は、

梅雨の期間が長く、

夏場は高温多湿な気候です。

屋外の湿度が高い時期が長いということは、

壁の中に湿気が入り込む機会も、

相対的に多くなるということです。

通気層がきちんと機能していれば、

多少の湿気が壁内に入っても、

乾燥する経路が確保されます。

しかし通気層の設計や施工が不十分だと、

湿気がこもり続け、

結露や木材の腐朽につながるリスクが、

高まります。

長崎で高断熱・高気密住宅を建てるなら、

この地域の気候特性を踏まえた、

通気設計への理解が欠かせません。


MIURAHOMEの考え方

MIURAHOMEでは、断熱性能「UA値0.35以下(最低ライン)/0.26以下(推奨)」、気密性能「C値0.19以下」を実現するにあたり、防湿層・気密層・通気層を適切に設計・施工することを重視しています。数値だけでなく、壁の中まで含めた耐久性を大切にした家づくりを行っています。

全棟で実施する気密測定も、隙間の有無を確認するだけでなく、結露リスクを未然に防ぐための重要な工程と位置づけています。目に見えない部分だからこそ、施工の丁寧さにこだわっています。

MIURAHOME標準仕様一覧(UA値・C値・換気・窓・耐震ほか)

まとめ

断熱性能を高めることは、

結露対策の、

重要な要素のひとつです。

しかしそれだけでは、

壁の中の結露を、

完全には防げません。

防湿層・気密層・通気層が、

それぞれの役割を果たしてはじめて、

断熱性能が本来の効果を発揮します。

断熱・気密・換気は、

切り離せないセットとして、

考える必要があります。

見えない壁の中こそ、

住宅の寿命を左右する場所です。


よくある質問

内部結露は、どうすれば気づくことができますか?

内部結露は壁の中で進行するため、外からは気づきにくいのが特徴です。壁紙のシミやカビ臭さ、床のたわみなど、症状が表に出たときにはかなり進行している場合もあります。設計・施工段階での対策が、もっとも重要です。

気密性能を高めなければ、内部結露は起きませんか?

気密性能が低い住宅でも、防湿層の施工が不十分であれば、内部結露のリスクはあります。むしろ気密性能が低いと、壁内の状態を計画的にコントロールしにくくなるため、リスクの予測が難しくなる面もあります。気密性能の高さそのものが、結露の原因になるわけではありません。

断熱材を厚くすればするほど、結露しやすくなるのですか?

断熱材の厚み自体が直接の原因ではありません。厚みが増すことで壁の中の温度分布が変化し、防湿・気密の設計が不十分な場合に、結露が起こりやすい箇所が生じることがある、というのが正確な理解です。

既存住宅をリフォームする際、内部結露対策はできますか?

断熱リフォームの際に、防湿シートの施工や通気層の確保をあわせて行うことで、内部結露のリスクを抑えることができます。断熱材だけを追加する工事は、かえってリスクを高める場合もあるため、専門知識のある業者に相談することをおすすめします。

施工中の現場を見学すれば、防湿・気密の施工品質は確認できますか?

断熱工事が完了し、まだ壁や天井で仕上げ材が張られていない段階であれば、防湿シートの重ね方や気密テープの施工状況を目視で確認できる場合があります。気になる方は、上棟後・断熱工事後の現場見学が可能かどうか、住宅会社に相談してみることをおすすめします。


壁の中まで含めた住宅性能について、もっと詳しく知りたい方へ

MIURAHOMEでは、防湿・気密・通気の設計について実際の施工事例でご説明する完成見学会・個別相談を随時受け付けています。

お気軽にご相談ください。


関連コラム


参考文献

本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしました(すべて2026年8月時点で確認)。

  • 国立研究開発法人 建築研究所 内部結露に関する資料
  • 一般社団法人 日本木造住宅産業協会 防湿・気密施工に関する資料
  • MIURAHOME 社内施工基準
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