
C値1.0と0.2の家では何が違うのか?|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.06.21

目次
結論:隙間の合計面積は5倍違う。すきま風・換気効率・冷暖房費に直結する
C値1.0の家とC値0.2の家では、床面積100㎡の場合、家全体の隙間の合計面積が100cm²と20cm²、5倍の差になります。この隙間の差が、すきま風の体感や換気の効きやすさ、冷暖房費にまで影響します。
この記事の執筆者
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
はじめに
「C値1.0」「C値0.2」
という数字を見ても、
どれくらいの違いなのか、
イメージしづらいものです。
断熱性能を示すUA値については、
別の記事で0.6と0.3を比較しましたが、
今回は気密性能を示すC値について、
1.0と0.2を比較します。
C値を「隙間の面積」という、
目に見える形に置き換えて比較します。
C値とは、家全体の隙間を示す数値
C値とは、
床面積1㎡あたりに、
どれだけ隙間があるかを示す数値です。
単位はcm²/㎡で表され、
数字が小さいほど、
隙間の少ない気密性の高い住宅ということになります。
C値1.0とC値0.2、隙間の面積で比べると

床面積100㎡の家で計算してみます。
C値1.0 × 100㎡ = 隙間相当面積100cm²。
C値0.2 × 100㎡ = 隙間相当面積20cm²。
数字の差は0.8ですが、
隙間の面積で見ると、
5倍もの違いになります。
100cm²はハガキ1枚程度、
20cm²は名刺1枚に満たない程度の大きさです。
家全体に散らばっているとはいえ、
この差は決して小さくありません。
実際の暮らしでの違い①:すきま風の体感
C値1.0の家は、
窓や壁の取り合い部分などから、
冷たい外気が入り込みやすくなります。
床付近がひんやりする、
という体感につながることもあります。
C値0.2の家は、
隙間が少ないため、
こうしたすきま風を感じにくくなります。
実際の暮らしでの違い②:計画換気の効きやすさ
現在の住宅には、
24時間換気システムの設置が義務付けられています。
これは、
給気口・排気口を通じて、
計画的に空気を入れ替える仕組みです。
ところが隙間が多いと、
計画したルート以外からも、
空気が出入りしてしまいます。
結果として、
換気システムが本来の性能を、
発揮しにくくなります。
C値0.2程度まで気密性能を高めることで、
空気の流れを設計通りにコントロールしやすくなります。
実際の暮らしでの違い③:冷暖房費への影響
隙間から熱が出入りすると、
室温を保つために、
より多くの冷暖房エネルギーが必要になります。
これはUA値による熱損失とは別に、
気密性能の低さによって、
上乗せされてしまう損失です。
せっかく断熱性能(UA値)を高めても、
気密性能(C値)が低ければ、
その効果を十分に活かせません。
気密性能は、夏にも効果がある
気密性能というと、
冬のすきま風対策として、
語られることが多いかもしれません。
しかし隙間は、
夏場にも影響します。
C値の高い(隙間の多い)住宅では、
屋外の高温多湿な空気が、
壁の中や室内に入り込みやすくなります。
これは冷房効率の低下だけでなく、
壁内結露のリスクにもつながります。
気密性能は、
冬だけでなく夏も含めた、
一年を通じての快適さに関わっています。
C値は、実測しなければ分からない数値
UA値が設計段階で計算できるのに対し、
C値は、
実際に建物が完成してから、
気密測定という専用の検査を行わないと分かりません。
つまりC値は、
設計の良し悪しだけでなく、
現場の施工精度がそのまま数字に表れる指標です。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、気密性能「C値0.19以下」を標準としています。C値0.2の家をさらに上回る水準で、床面積100㎡であれば隙間相当面積19cm²以下という計算になります。
気密性能は、断熱性能「UA値0.35以下(最低ライン)/0.26以下(推奨)」とセットで実現することで、はじめて本来の効果を発揮します。全棟で気密測定を実施し、数値を確認したうえでお引き渡しをしています。

まとめ
C値1.0とC値0.2。
床面積100㎡の家で計算すると、
隙間の合計面積は100cm²と20cm²、
5倍の差になります。
この差は、
すきま風の体感、
計画換気の効きやすさ、
冷暖房費にまで影響します。
C値は施工精度がそのまま表れる数値だからこそ、
気密測定を実施しているかどうかを、
確認することが大切です。
住宅会社を選ぶ際には、
「気密測定を全棟で実施しているか」
「その結果を提示してもらえるか」を、
あわせて確認することをおすすめします。
よくある質問
C値1.0は、一般的な住宅としてはどれくらいのレベルですか?
C値1.0は、気密性能への配慮がある住宅の一般的な目安のひとつです。一方、気密測定を実施していない住宅の中には、C値2.0を超えるケースもあります。C値2.0であれば、床面積100㎡の家で隙間相当面積は200cm²、A4用紙とほぼ同じ大きさに達します。C値は実測しなければ分からないため、測定結果を確認することが重要です。
C値0.2を実現するには、どんな工夫が必要ですか?
気密シートや気密テープを使った丁寧な施工、コンセントボックスや配管まわりなど隙間ができやすい箇所への対策、そして現場での気密測定による確認が必要です。設計だけでなく、施工品質が大きく影響します。
気密性能が高いと、息苦しくなりませんか?
気密性能を高めることと、空気の入れ替えができないことは別の問題です。気密性能が高い住宅ほど、計画換気システムが設計通りに機能しやすくなり、むしろ安定した空気環境を保ちやすくなります。
C値とUA値、どちらを優先すべきですか?
どちらか一方ではなく、両方をセットで考える必要があります。断熱性能(UA値)が高くても、気密性能(C値)が低ければ隙間から熱が逃げてしまい、UA値の効果を十分に活かせません。逆に気密性能だけが高くても、断熱性能が低ければ、隙間からの熱損失は防げても、壁や窓そのものから逃げる熱までは防げません。
気密測定は、いつ・何回行うのですか?
気密測定は、断熱工事が完了し、気密層が仕上がった段階で行うのが一般的です。専用の送風機で室内の空気を強制的に排出し、その際の気圧差から隙間の量を算出します。施工途中と完成後の2回実施し、施工品質を確認する場合もあります。
気密性能について、もっと詳しく知りたい方へ
MIURAHOMEでは、気密測定の実施結果を含めた性能についてご説明する完成見学会・個別相談を随時受け付けています。
お気軽にご相談ください。
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参考文献
本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしました(すべて2026年8月時点で確認)。
- 国土交通省 建築物省エネ法における気密性能に関する資料
- 一般社団法人 日本住宅性能検査協会 気密測定に関する資料
- MIURAHOME 社内施工基準