
住宅の本当の価格は「建築費+35年間の維持費」で考える|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.07.10

目次
結論:住宅の価格は「建築費」だけでは測れない
住宅を選ぶとき、多くの人が建築費(初期費用)に注目します。しかし住宅の本当の価格は、建築費に加えて、35年間にわたる光熱費・メンテナンス費・修繕費・固定資産税などを合計した「トータルコスト」で考える必要があります。
この記事の執筆者
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
はじめに
「坪単価が安いから、
こちらの住宅会社にしよう」
という判断は、
一見合理的に見えますが、
実は見落としがあるかもしれません。
この記事では、
建築費だけでなく、
35年間の総コストで、
住宅の価格を考える視点を解説します。
見積もり比較で迷っている方にも、
参考にしていただける内容です。
住宅にかかる費用の、全体像

住宅にかかる費用は、
大きく分けて、
次の4つで構成されます。
- 建築費:住宅を建てる際の初期費用
- 光熱費:35年間にわたって毎月かかり続ける費用
- メンテナンス・修繕費:外壁・屋根・設備などの維持にかかる費用
- 固定資産税等:所有している間、毎年かかり続ける税金
多くの人が意識するのは、
このうち建築費だけです。
しかし残り3つの費用も、
35年間という長期で見れば、
決して小さな金額ではありません。
「初期費用の安さ」だけで選ぶことのリスク
建築費を抑えるために、
断熱・気密性能を必要最低限にしたり、
安価な外壁材を選んだりすると、
初期費用は下がります。
しかし、
断熱・気密性能が低ければ、
その分、
35年間の光熱費が、
大きく膨らんでいきます。
外壁材によっては、
塗り替えの周期が短くなり、
メンテナンス費用がかさむこともあります。
初期費用だけを見て判断すると、
こうした「見えにくいコスト」を、
見落としてしまう可能性があります。
数百万円の初期費用差が、逆転することもある
仮に、
断熱性能の低い住宅Aと、
高断熱・高気密な住宅Bがあり、
建築費に200万円の差があるとします。
住宅Aの方が、
初期費用は安くなります。
しかし、
年間の光熱費に4万円の差があるとすると、
35年間では、
140万円の差になります。
さらにメンテナンス費用の差も加われば、
初期費用200万円の差は、
35年間のうちに、
大きく縮まる、
あるいは逆転することも、
十分に考えられます。
あくまで一例ですが、
「初期費用の差」と「生涯コストの差」は、
必ずしも同じ結論にならないことを、
意識しておく必要があります。
メンテナンス費用は、素材によって大きく変わる
外壁材ひとつをとっても、
素材によって、
メンテナンスの周期や費用は変わります。
一般的に、
耐久性の低い素材ほど、
塗り替えや補修の頻度が高くなり、
35年間で見ると、
その差は積み重なっていきます。
初期費用が多少高くても、
耐久性の高い素材を選ぶことで、
長期的な総コストを、
抑えられる場合があります。
見た目だけでなく、
耐久性の視点も持っておきましょう。
断熱・気密性能は、見えにくいコストに直結する
住宅性能の中でも、
断熱・気密性能は、
建てた後の光熱費に、
もっとも大きく影響する要素のひとつです。
初期費用としては目に見えても、
その効果は、
住み始めてから、
毎月の光熱費という形で、
じわじわと積み重なっていきます。
建築費の見積もりを比較する際は、
断熱・気密性能の違いも、
あわせて確認することをおすすめします。
数値化されにくい部分こそ、
丁寧に比較する価値があります。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、断熱性能「UA値0.35以下(最低ライン)/0.26以下(推奨)」、気密性能「C値0.19以下」を標準とすることで、35年間の光熱費を抑える設計を行っています。あわせて、耐久性の高い外装材の提案など、長期的なメンテナンスコストにも配慮しています。
建築費だけでなく、住み始めてからの総コストまで見据えたご提案を大切にしています。長期修繕計画についても、個別相談の中でご説明しています。

まとめ
住宅の本当の価格は、
建築費だけでなく、
35年間の光熱費・メンテナンス費・修繕費・税金を、
合計したトータルコストで考える必要があります。
初期費用の安さだけで判断せず、
長期的な視点で、
住宅の価格を比較してみてください。
35年間という時間軸で考えると、
見え方が大きく変わってきます。
よくある質問
35年間のメンテナンス費用は、どれくらいを見込めばいいですか?
外壁・屋根の塗装や設備の更新など、内容によって金額は大きく異なります。素材や工法、住宅会社の保証内容によっても変わるため、契約前にメンテナンス計画とおおよその費用について確認しておくことをおすすめします。長期修繕計画表を提示してくれる会社であれば、より具体的にイメージしやすくなります。
建築費が高い住宅は、必ずトータルコストも安くなりますか?
一概には言えません。建築費が高くても、性能や耐久性が伴っていなければ、トータルコストが下がるとは限りません。重要なのは、初期費用のどこにお金がかけられているかを確認することです。デザインや設備なのか、性能や耐久性なのかによって、その後の総コストは変わってきます。
固定資産税は、住宅性能によって変わりますか?
固定資産税は建物の評価額に基づいて算定されるため、仕様や性能によって多少の差が生じることがあります。ただし光熱費やメンテナンス費用と比べると、住宅性能による影響は限定的です。詳しい税額は、お住まいの自治体に確認することをおすすめします。
トータルコストのシミュレーションは、依頼できますか?
多くの住宅会社では、光熱費や大まかなメンテナンス費用を含めたシミュレーションを提供しています。複数の会社で条件をそろえて比較すると、より実態に近い総コストを把握しやすくなります。前提条件をそろえて比較することが、公平な判断のポイントです。
見積もりを比較する際、何に注意すればいいですか?
建築費の総額だけでなく、断熱・気密性能や外装材の仕様、標準仕様に含まれる設備の違いを確認することが大切です。同じ「坪単価」でも、含まれている性能や仕様が会社によって異なるため、単純な金額比較だけでは判断できません。見積書の内訳を細かく確認することをおすすめします。
住宅の総コストについて、もっと詳しく知りたい方へ
MIURAHOMEでは、建築費だけでなく35年間の総コストを見据えたご提案を行う完成見学会・個別相談を随時受け付けています。
お気軽にご相談ください。
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参考文献
本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしました(すべて2026年8月時点で確認)。
- 国土交通省 住宅の維持管理・修繕に関する資料
- 一般社団法人 住宅生産団体連合会 住宅取得に関する調査資料
- MIURAHOME 社内施工基準