
35年後に後悔しないために、家を建てる前に知ってほしい10のこと|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.07.25

結論:家づくりの後悔は、性能・お金・健康・暮らしという4つの視点を建てる前に確認しておくことで、大きく減らすことができる
「もっと早く知っておけばよかった」——家を建てた人の多くが口にする言葉です。この後悔の多くは、実は建てる前に少し立ち止まって考えるだけで避けられるものです。今回は、これまでのコラムでお伝えしてきた性能・お金・健康・暮らしの視点を、10のチェックポイントとして総まとめします。
この記事の執筆者
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
はじめに
家づくりは、人生でそう何度も経験するものではありません。
だからこそ、多くの方が手探りで進めることになります。
そして、住み始めてから初めて気づくことも少なくありません。
このコラムでは、これまでお伝えしてきた内容を、10のポイントに凝縮してお届けします。
一つひとつは、小さな確認かもしれません。
しかし、その積み重ねが35年後の満足度を大きく左右します。
なぜ「建てた後」に後悔するのか
家づくりの後悔には、いくつかの共通点があります。
一つは、契約までの時間が短く、じっくり比較する余裕がなかったというケースです。
もう一つは、性能の話が専門的で、何を基準に比較すればよいか分からなかったというケースです。
そしてもう一つは、断熱性能や気密性能のように、実際に住んでみるまで体感できない項目が多いという点です。
見た目やデザインは契約前に確認できますが、冬の底冷えや夏の蒸し暑さは住んでから初めて分かります。
さらに、営業担当者の説明の仕方によっても、印象が大きく変わってしまいます。
感覚的で心地よい言葉だけを並べられると、つい安心してしまいがちです。
しかし、住んでからの快適さを左右するのは、言葉ではなく実際の数字です。
だからこそ、契約前に「数字」で確認できる項目を知っておくことが重要になります。
家を建てる前に知ってほしい10のこと
1. UA値とC値の意味を知っておく
UA値は家全体の断熱性能、C値は気密性能を示す数字です。この2つの数字を確認するだけで、住宅会社の性能に対する姿勢がある程度分かります。
2. 坪単価だけで判断しない
坪単価は会社によって含む範囲が異なります。同じ坪単価でも、断熱材や窓の仕様が大きく違うことは珍しくありません。
3. 光熱費は「第二の住宅ローン」と考える
毎月の光熱費は、35年間積み上げると数百万円単位の差になります。建築費だけでなく、住んでからの費用も含めて比較することが大切です。月々の支払いという意味では、光熱費もローンの返済額と同じ重みを持っています。
4. 気密測定は第三者立会いのもとで行われているか確認する
気密性能は施工の丁寧さが直接反映される数値です。自社基準ではなく、現場ごとに実測しているかどうかを確認しましょう。
5. 結露・カビのリスクを施工前に確認する
新築でもカビが発生するケースがあります。壁の中の結露対策がどう設計されているか、事前に説明を受けておくと安心です。

6. 家族の温度差・血圧への影響を考える
室内の温度差は、血圧の変動やヒートショックのリスクに直結します。特に高齢の家族がいる場合は重要な確認項目です。
7. 換気方式とメンテナンスコストを確認する
換気システムにはフィルター交換などの維持費がかかります。初期費用だけでなく、長期的な手間とコストも確認しておきましょう。
8. 35年間のトータルコストで比較する
建築費、光熱費、メンテナンス費用を合算して初めて、本当の意味での「安い家」が見えてきます。目先の総額だけで判断しないことが大切です。同じ建築費でも、性能次第でその後の支出は大きく変わってきます。
9. 将来売却する場合の資産価値も視野に入れる
高い断熱・気密性能は、将来の資産価値にも影響する可能性があります。長く住む前提でも、選択肢の一つとして考えておくとよいでしょう。
10. 「信頼できる会社かどうか」を性能の数字で判断する
最終的に大切なのは、担当者の説明が数字に裏付けられているかどうかです。感覚的な説明ではなく、根拠のある数字で答えてくれる会社を選びましょう。質問したときに即座に具体的な数値が返ってくるかどうかも、一つの判断材料になります。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、UA値0.35以下を最低ラインとし、0.26以下を推奨基準としています。
気密性能についても、C値0.19以下を全棟で実測することを基本としています。
数字を公開し、根拠を持って説明できることが、お客様の後悔をなくす第一歩だと考えています。
性能の数字は、営業トークではなく、住み始めてからの暮らしを裏付ける根拠です。
だからこそ、すべての棟で同じ基準を守り続けることを大切にしています。

まとめ
家づくりの後悔は、事前の確認不足から生まれることがほとんどです。
UA値やC値といった性能の数字、35年間のトータルコスト、そして家族の健康への影響。
この10のポイントを一つずつ確認していくことで、「もっと早く知っておけばよかった」という後悔を大きく減らすことができます。
家づくりを検討中の方は、ぜひこのチェックリストを参考にしてみてください。
一度にすべてを完璧に理解する必要はありません。
気になった項目から、少しずつ確認していけば十分です。
分からないことがあれば、遠慮なく専門家に質問してみてください。きっと納得のいく答えが返ってくるはずです。
よくある質問
Q1. 契約後に断熱性能を上げることはできますか?
構造に関わる断熱・気密の仕様は、着工後の変更が難しいことが多いです。だからこそ、契約前の確認が重要になります。設計段階であれば調整できる部分も多いため、早めに相談することをおすすめします。
Q2. 10のことをすべて満たす住宅会社はありますか?
すべてを完璧に満たす会社を探すよりも、数字で根拠を示しながら説明してくれるかどうかを基準にすることをおすすめします。
Q3. このチェックリストは建売住宅にも使えますか?
はい、使えます。UA値やC値の確認は、注文住宅・建売住宅を問わず有効な視点です。物件を検討する際の判断材料としてぜひ活用してください。
Q4. 性能を重視するとデザインの自由度は下がりますか?
断熱・気密性能とデザイン性は両立できます。窓の配置や素材選びを工夫することで、性能とデザインの両方を実現できます。性能を優先しながらも、希望の間取りや外観デザインを諦める必要はありません。
Q5. まだ検討を始めたばかりでも相談できますか?
もちろんです。情報収集の段階からのご相談も歓迎しています。他社との比較や、疑問点の整理だけでもお気軽にお問い合わせください。
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参考文献
- 国土交通省「住宅の断熱性能に関する基準」
- 一般社団法人 日本サステナブル建築協会 関連資料
- 厚生労働省「入浴中の事故防止に関する調査」