
海に近い長崎だから考えたい住宅の耐久性|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.08.17

目次
結論:海に近い長崎の住宅は、建てた時の性能だけでなく、潮風による経年劣化を見据えた建材選定と定期的なメンテナンス計画があってこそ、長期的な耐久性を保てる
断熱性能やデザインばかりに目が向きがちな家づくりですが、海に近い長崎では、もう一つ見落とせない大切な視点があります。それは「何十年も性能を保てるか」という耐久性です。今回は、経年劣化とメンテナンスという長期的な視点から、住宅の耐久性についてじっくり考えます。
この記事を書いた執筆者について
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
「建てた時の性能」と「何十年後の性能」は別問題
住宅の性能というと、UA値やC値といった「新築時の数値」ばかりに注目が集まりがちです。
しかし、実際にその家で暮らす期間は35年、45年、あるいはそれ以上に及びます。
その長い年月の中で、建材は少しずつ、しかし確実に経年劣化していきます。特に海に近い立地では、潮風の影響でこの劣化スピードが早まることがあります。
つまり、「建てた時にどれだけ高性能か」だけでなく、「その性能を何十年にわたって維持できるか」という視点が、海に近い長崎では特に重要になるのです。
海が近い住宅で耐久性を左右する3つのポイント
海に近い立地での耐久性を考えるうえで、あらかじめ押さえておきたいポイントは次の3つです。
1つ目は、外壁材・屋根材の耐塩害仕様です。潮風にさらされ続ける部位には、耐塩害性能をあらかじめ考慮した建材選定が欠かせません。
2つ目は、金属部品の防錆対策です。ビスや金具、換気システムの屋外部分など、普段目立たない部分の劣化が、思わぬトラブルにつながることがあります。
3つ目は、定期点検とメンテナンス計画です。どれほど耐久性の高い建材を使っていても、定期的な点検とメンテナンスなしには性能を長く保てません。

塩害はどこに現れやすいか
塩害の影響は、住宅のあらゆる部位に均等に現れるわけでは決してありません。
特に注意したいのは、金属製の外部設備です。給湯器やエアコンの室外機、換気システムの外部フード、物干し金具などは、潮風による腐食の影響を受けやすい代表的な部位です。
また、サッシの金属部分や、屋根の留め具なども、長期間にわたって潮風にさらされ続けることで、徐々に劣化が進んでいきます。
こうした部位をあらかじめ把握し、耐塩害仕様の製品を選んでおくことが、後々のメンテナンス負担を大きく軽減することにつながります。設計段階でこうした部位を洗い出しておくことが、結果的に長期的なコスト削減にもつながります。
見た目には分かりにくい劣化も多いため、定期的な点検で早めに気づくことこそが、大きな修繕を防ぐ鍵になります。
たとえば、室外機の劣化に気づかず長期間放置してしまうと、冷媒漏れなどの不具合につながり、思わぬ修理費用が発生することもあります。こうした小さなサインを見逃さないことが、結果的に家計への負担を軽減することにもつながります。
メンテナンス計画を最初から考えておく重要性
住宅の耐久性は、建材選定だけですべてが決まるものではありません。
竣工後、どのタイミングで、どの部分を点検・メンテナンスするかという計画をあらかじめしっかり立てておくことが、長期的な耐久性を左右します。
外壁の再塗装、シーリングの打ち替え、金属部品の点検など、それぞれに適したタイミングがあり、素材や部位によって周期は異なります。
こうしたメンテナンス計画を、住宅会社と一緒に建築時から丁寧に共有しておくことで、劣化に気づかず長く放置してしまうリスクを減らすことができます。
「建てて終わり」ではなく、「建てた後も一緒に住まいを守っていく」という関係性こそが、長く安心して暮らせる住まいづくりには欠かせません。
特に海に近い立地では、内陸の住宅よりも点検の頻度をやや高めに設定するなど、立地条件に応じてメンテナンス計画をきめ細かく調整することも有効な考え方です。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、海に近い立地の敷地条件もしっかり踏まえ、耐塩害仕様の建材選定についても具体的にご提案しています。
お引き渡し後も、定期点検の中で外壁・屋根・金属部品の劣化状況をきめ細かく確認し、必要なメンテナンスのタイミングをお客様と一緒に確認しています。
断熱・気密性能という「快適性」だけでなく、こうした「長期的な耐久性」も含めて、末永く安心して住み続けられる住まいづくりを大切にしています。
設計段階では、給湯器やエアコンの室外機など、外部設備の設置場所についても、潮風の当たり方をきちんと考慮しながらプランをご提案しています。
目に見える性能だけでなく、目に見えにくい部分の耐久性まで丁寧に考えることが、長く安心して住み続けられる住まいに確かにつながると考えています。

まとめ
海に近い長崎の住宅は、潮風による経年劣化を見据えた建材選定と、定期的なメンテナンス計画があってこそ、初めて長期的な耐久性を保てます。
建てた時の性能だけでなく、何十年後の性能まで見据えた長期的な視点を持つことが大切です。
住宅会社を選ぶ際は、耐塩害仕様の建材選定や、メンテナンス計画についても、あらかじめ具体的に確認してみてください。
「建てた後も一緒に住まいを守ってくれるか」という視点が、長く安心して暮らせる家づくりの鍵になります。
見た目のデザインや初期性能だけでなく、10年後、20年後も安心して住み続けられるかどうかという長期的な視点で、住宅会社を選んでみてください。
よくある質問
Q1. 塩害はどのくらいの範囲まで影響がありますか?
海からの距離や風向き、地形によって差がありますが、一般的に海岸から数キロ以内は特に注意が必要とされています。
Q2. 定期点検はどのくらいの頻度で行うべきですか?
住宅会社によって基準は異なりますが、数年に一度を目安に、外壁や屋根、設備の状態を専門家の目でしっかり確認することをおすすめします。
Q3. 耐塩害仕様の建材は費用が高くなりますか?
一般的な仕様よりも初期費用がかかる場合がありますが、長期的なメンテナンスコストの削減効果とあわせて検討する価値があります。目先の金額だけで判断しないことが大切です。
Q4. すでに塩害の影響が出ている場合、どうすればよいですか?
早期に専門業者へ相談することをおすすめします。放置すると劣化が進み、修繕範囲が広がってコストがかさむ可能性があります。
Q5. 内陸の住宅でも塩害対策は必要ですか?
海からの距離が離れていれば影響は小さくなりますが、強風時には塩分を含んだ風が思いのほか遠くまで届くこともあります。立地に応じて確認しておくと安心です。
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参考文献
- 国土交通省「住宅の耐久性に関する資料」
- 一般社団法人 日本サステナブル建築協会 関連資料
- 公益社団法人 日本塗料工業会 関連資料