
CO2濃度が高い部屋では何が起きる?|長崎で重要な高断熱・高気密住宅の考え方
2026.08.29

目次
結論:CO2濃度が1,000ppmを超えると、眠気や集中力低下が起こりやすくなる
会議中や勉強中に、なんとなく眠くなる、頭がぼんやりする——それは、室内のCO2濃度が原因かもしれません。換気不足が引き起こす、目に見えない影響について解説します。
この記事の執筆者
三浦 恭輔(MIURAHOME 取締役部長・営業部)
大学院卒業後、都内の設計事務所に勤務し、2023年にMIURAHOMEへ入社。設計事務所でのデザイナー経験を活かし、「美しい空間」「住みよい性能」「安心なライフプラン」の提案を行う。長崎県諫早市を拠点に、パッシブハウス基準の高断熱・高気密住宅を専門に手がける。
はじめに
閉め切った会議室や寝室で、
「なんとなく頭がぼーっとする」
と感じたことはないでしょうか。
その原因のひとつが、
室内にたまった、
二酸化炭素(CO2)です。
CO2濃度の上昇は、
室温や湿度のように、
肌で感じることが難しいため、
原因に気づかれにくい、
という特徴があります。
CO2濃度と、体に現れる主な影響の目安

外気のCO2濃度は、
およそ400〜420ppm程度とされています。
建築物衛生法などでは、
室内のCO2濃度の基準値を、
1,000ppm以下と定めています。
この基準を超えてくると、
眠気や集中力の低下といった、
体感できる影響が、
現れやすくなるとされています。
閉め切った会議室で、
長時間の打ち合わせをしていると、
終盤になるほど、
参加者の集中力が落ちていく、
というのはよくある光景です。
なぜ、室内にCO2がたまるのか
CO2は、
人が呼吸をするだけで、
室内に排出され続けます。
窓を閉め切った部屋に、
複数人が長時間いると、
CO2濃度は、
想像以上のスピードで上昇します。
部屋の広さや人数によっても、
上昇のスピードは変わってきます。
特に、
寝室のように、
長時間ドアや窓を閉め切ったまま過ごす部屋は、
CO2濃度が上がりやすい環境です。
家族で映画を観るリビングや、
複数人が集まる子ども部屋なども、
同じように注意が必要です。
「気密性能が高いと空気が悪くなる」は誤解
「高気密住宅は空気の入れ替えが少なく、
CO2がこもりやすいのでは」
という声を聞くことがありますが、
これは正確ではありません。
気密性能が低い住宅では、
計画換気で意図した空気の流れが乱れ、
給気・排気が想定通りに機能しにくくなります。
気密性能が高い住宅であれば、
計画換気の空気の流れが安定し、
CO2が特定の部屋にたまりにくくなります。
重要なのは気密性能の高さそのものではなく、
設計通りの換気量が、
実際に確保されているかという点です。
気密測定を行い、
数値でC値を確認している住宅かどうかも、
ひとつの目安になります。
寝室のCO2濃度は、睡眠の質にも関わる
就寝中は、
ドアや窓を閉め切ることが多く、
CO2濃度が上がりやすい時間帯です。
朝起きたときに、
「よく寝たはずなのに、
頭がすっきりしない」
と感じる場合、
寝室のCO2濃度が、
影響している可能性があります。
24時間換気システムが、
寝室にもきちんと機能しているかどうかは、
見落とされがちなポイントです。
睡眠の質を高めるために、
寝具や照明にこだわる方は多くても、
室内のCO2濃度まで意識する方は、
まだ多くありません。
在宅ワークとCO2濃度の意外な関係
在宅ワークが増えた今、
日中も自室にこもって、
仕事をする方が増えています。
オフィスであれば、
複数人分の換気を想定した、
大型の空調・換気設備が入っていますが、
住宅の一室では、
そこまでの換気量を、
想定していないケースもあります。
午後になると集中力が続かない、
という感覚がある場合は、
作業部屋のCO2濃度を、
一度確認してみることをおすすめします。
意外にも、
エアコンの温度設定ではなく、
換気の見直しだけで、
改善するケースもあります。
一度、簡単なCO2センサーを、
試してみる価値はあります。
MIURAHOMEの考え方
MIURAHOMEでは、断熱性能「UA値0.35以下(最低ライン)/0.26以下(推奨)」、気密性能「C値0.19以下」を標準とし、寝室を含めた家全体に、計画換気の空気が均等に行き渡る設計を大切にしています。
見えないCO2濃度まで意識した、快適な室内環境をご提案しています。数値で確認できる安心感も、住宅性能の大切な価値のひとつだと考えています。

まとめ
室内のCO2濃度が1,000ppmを超えると、
眠気や集中力の低下といった、
影響が現れやすくなります。
目に見えない数値だからこそ、
計画換気がきちんと機能する住宅かどうかが、
日々の快適さや集中力に、
大きく関わってきます。
在宅ワークや在宅時間が増えた今こそ、
室内の空気環境にも、
目を向けてみてはいかがでしょうか。
よくある質問
CO2濃度は、どうやって確認できますか?
市販のCO2センサー(CO2モニター)で、手軽に確認することができます。数千円程度から購入できる製品もあり、寝室やリビングに置いて測定してみることをおすすめします。実際に数値を見てみると、閉め切った部屋でどれだけ上昇するか、驚く方も多いです。
窓を開けて換気すれば、それで十分ですか?
窓開け換気は有効ですが、季節や天候によって毎日続けるのは難しい場合もあります。真冬や真夏、花粉の季節などは特に、24時間換気システムが常に機能していることが、安定したCO2濃度の維持につながります。
CO2濃度が高いと、健康に長期的な影響はありますか?
一時的な眠気や集中力低下だけでなく、慢性的に高い濃度にさらされ続けることが、体調不良につながる可能性も指摘されています。特に締め切った寝室で毎晩過ごす場合は、日常的な換気の見直しをおすすめします。
子ども部屋のCO2濃度も気にした方がよいですか?
はい。特に勉強や睡眠に使う部屋は、CO2濃度が集中力や睡眠の質に影響しやすいため、換気の状態を確認しておくことをおすすめします。学習効率の面からも、見直す価値のあるポイントです。
熱交換換気システムは、CO2濃度対策にも有効ですか?
熱交換換気システムは、室温を保ちながら計画的に空気を入れ替えるため、季節を問わずCO2濃度を安定させやすいというメリットがあります。冬場や夏場に窓を開けにくい時期こそ、その効果を実感しやすくなります。
在宅ワーク中の集中力対策として、CO2濃度以外に気をつけることはありますか?
CO2濃度に加えて、室温・湿度・明るさなども集中力に影響します。作業部屋の環境を総合的に見直すことで、より快適に、長時間集中して過ごせるようになります。
快適な室内環境をつくる換気計画について、もっと詳しく知りたい方へ
MIURAHOMEでは、家全体にしっかりと空気が行き渡る換気計画について、実際の建物でご説明する完成見学会・個別相談を随時受け付けています。
お気軽にご相談ください。
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参考文献
本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしました(すべて2026年8月時点で確認)。
- 建築物衛生法・事務所衛生基準規則における室内環境基準
- MIURAHOME 社内施工基準